RTX4060 Tiは、RTX40シリーズの中で、ミドルクラス位置づけられるGPUです。
本記事ではRTX4060 Tiについての簡単な解説をし、RTX4060 Ti搭載のおすすめゲーミングPCを厳選して紹介したいと思います。
RTX 4060 Tiの簡単な解説
RTX 4060 Ti | RTX 3060 Ti | |
---|---|---|
アーキテクチャー | Ada Lovelace | Ampere |
製造プロセス | TSMC 4N | Samsung 8nm カスタム |
シェーダー数(CUDAコア数) | 4352 | 4864 |
RTコア数 | 34(第3世代) | 38(第2世代) |
Tensorコア数 | 136(第4世代) | 152(第3世代) |
ベースクロック | 2,310MHz | 1,410MHz |
ブーストクロック | 2,535MHz | 1,665MHz |
VRAM容量 | 8GB(GDDR6)/ 16GB(GDDR6) | 8GB(GDDR6) |
メモリー転送レート | 18Gbps | 14Gbps |
メモリバス幅 | 128bit | 256bit |
メモリバス帯域幅 | 288GB/s | 448GB/s |
PCI-Express | Pcie 4.0 ×8 | Pcie 4.0 ×16 |
補助電源 | 8pin×1 | 8pin×1 |
L2キャッシュ | 32MB | 4MB |
消費電力(TGP) | 160W | 200W |
NVENC | 第8世代 | 第7世代 |
AV1 | エンコード / デコード | デコード |
超解像度技術 | DLSS3 | DLSS2 |
発売日 | 2023年5月 | 2020年12月 |
上記の表は先代のRTX 3060 Tiとの比較表です。
RTX 4060 Tiのシェーダー数は4352、メモリバス幅は128bit、メモリバス帯域幅が288GB/sと、先代モデルのRTX 3060 Tiと比較して、スペックダウンしています。
ただし、L2キャッシュが32MBと大容量化され、実帯域幅は554GB/sに達します。VRAMへのアクセス頻度が減らせるので、消費電力(TGP)は160Wと省電力化されています。
ちなみにVRAM容量はRTX 3060 Tiと同じ8GBを搭載しています。ただし、後日、16GBを搭載したモデルの販売も予定されています。
RTコア、Tensorコア、NVENCはともに世代が新しくなっています。
そして、超解像技術はDLSS3(DLSS FG)に対応しました。AIを使ってフレーム生成を行うことで、DLSS2(DLSS SR)に比べると、劇的にフレームレートを引き上げることが可能になります。ただし、この機能が使えるのは、DLSS3に対応するゲームに限られます。
また、AV1エンコードにも対応しています。AV1を使うことで、約40%のエンコーディング効率が向上し、低ビットレートで配信した場合でも高品質な配信が可能となります。ただし、RTX 4060 Tiに搭載されるAV1は1基のみなので、デュアルエンコーダーには対応していません。
RTX 4060 Tiのゲーム性能
3D MARK

定番ベンチマークの3D MARKでは、RTX3070とほぼ互角です。
ただし、解像度の高いTime Spy Extremeでは、RTX 3070に逆転されています。
フルHDゲーミング性能

WQHDゲーミング性能

4Kゲーミング性能

DLSS FG
DLSS FGとは、AI によりフレーム全体をリアルタイムで生成し、大幅にフレームレートを伸ばす技術です。この機能は、今のところ、RTX4000シリーズのGPUに限定されます。
DLSS FGの恩恵は凄まじく、平均フレームレートが大幅に伸びます。
例えば、Cyber Punk 2077のWQHD+レイトレウルトラ設定時の平均FPSは27ですが、DLSS SRとDLSS FGの合わせ技で、平均フレームレートが100まで上昇します。
ただ、この機能は、DLSS FGに対応したゲームに限られます。

RTX4060 Tiのゲーミング性能はRTX 3070とほぼ同等といえそうです。ただし、高解像度では巨大なL2キャッシュでもカバー出来ず、メモリ帯域の狭さが足を引っ張り、RTX3070に負けているケースが多々あります。ただ、DLSS 3の効果は絶大です。DLSS 3対応ゲームであれば、RTX 3070を遥かに上回るゲームパフォーマンスを発揮します。
RTX4060Tiまとめ
- フルHD解像度のゲーム性能はRTX 3070とほぼ同等
- DLSS FG使用時はRTX 3070を大きく凌ぐゲームパフォーマンスを発揮
- 高解像度のゲームパフォーマンスはRTX 3070以下で、RTX 3060 Tiに肉薄する
CPU:Core i7-12700、マザーボード:MSI PRO B660M-A、メモリ:Crucial CT2K16G4DFRA32A(16GB×2/3200MHz動作)、システムSSD:Crucial P2 1TB、データSSD:Kingston NV2 2TB


RTX4060 Ti搭載おすすめゲーミングパソコン
FRONTIER FRGAG-B550/WS824/NTK
CPUはZEN3世代のRyzen 5 5600Xを搭載。6コア12スレッドなので、マルチスレッド能力も高いだけでなく、シングル性能も高いです。RTX 4060 Tiとの相性は良いです。
メモリも16GB搭載、さらにストレージは1TB搭載。このスペックで13万円代という価格に抑えられているので、コスパは非常に高いです。
HP Victus 15L スタンダードプラスモデル
CPUはインテル第13世代のCore i5-13400Fを搭載。Eコア付きのCore i5で性能も十分高く、RTX 4060 Tiとの相性は良好です。
メモリは16GB、ストレージは512GBと基本スペックはそこそこ優秀です。
HP Victus 15Lはコンパクトなケースを採用しているモデルです。場所をあまりとらない小さめのRTX 4060 Ti搭載モデルが欲しいのであれば、このモデルはおすすめできます。
FRONTIER FR30B760/B
CPUは10コア16スレッドのインテル第13世代のCore i5-13400Fを搭載。マルチ性能だけでなく、シングル性能も高いです。そのため、RTX 4060 Tiとの相性は良好です。
メモリは8GB×2、ストレージ1TBと必要十分です。
このモデルはFRONBTIER30周年特別モデルとなっています。
コンパクトなケースで、前面メッシュで通気性が良好なだけでなく、ライティングも楽しめます。限定カラーの赤、黒、白の3色から選ぶことができます。
なお、本製品は数量限定で予定数に達した段階で、販売を終了する予定なので、お早めにどうぞ。
TSUKUMO G-GEAR GA7A-D230BN/CP1
CPUはZEN3世代のRyzen 7 5700Xを搭載。8コア16スレッドということで、強力なマルチ性能を誇ります。また、ZEN3ということで、シングル性能も高いです。
メモリは16GB、ストレージは1TBと基本スペックは優秀です。
即納モデルということで、すぐに欲しい方には魅力的なモデルとなっています。


まとめ
RTX4060 Tiは単体のビデオカードだとまだまだ高値なイメージですが、ゲーミングパソコンでは安価なモデルが多い印象です。
RTX 3070搭載モデルは現状16万円近くするので、それに匹敵する性能のRTX 4060 Tiが15万円以下で購入できると考えると、相対的にお得に見えます。