2024年1月、NVIDIAのGPUのRTX 4070 SUPERを搭載したビデオカードの販売が開始されました。
RTX 4070 SUPERの立ち位置は、RTX 4070とRTX 4070 Tiの丁度中間に位置します。性能はRTX 4070 Tiに匹敵し、その割にRTX 4070との価格差はあまりなく、コスパの高いGPUとして現在人気が高いです。
もちろん、最新のDLSS3にも対応しているので、対応ゲームではさらにゲームのフレームレートを押し上げることが可能です。
今回の記事ではRTX 4070 SUPERの特徴、ゲーム性能を解説し、最後におすすめのゲーミングPCを紹介します。
RTX 4070 SUPERとは
RTX 4070 Ti | RTX 4070 SUPER | RTX 4070 | |
---|---|---|---|
CUDAコア数 | 7,680 | 7,168 | 5,888 |
ベース/ブーストクロック | 2310MHz / 2610MHz | 1980MHz / 2475MHz | 1920MHz / 2475MHz |
標準メモリ構成 | GDDR6X 12GB | GDDR6X 12GB(192bit) | GDDR6X 12GB(192bit) |
レイトレーシングコア(RTコア) | 60(第3世代) | 56(第3世代) | 46(第3世代) |
Tensorコア | 240(第4世代) | 224(第4世代) | 184(第4世代) |
NVIDIAアーキテクチャー | Ada Lovelace | Ada Lovelace | Ada Lovelace |
NVIDIA DLSS | 3 | 3 | 3 |
NVIDIA Encoder(NVENC) | 第8世代×2 | 第8世代×1 | 第8世代×1 |
AV1エンコード/デコード | 〇/〇 | 〇/〇 | 〇/〇 |
グラフィックスカード電力(W) | 285 | 220 | 200 |
システム電力要件(W) | 700 | 650 | 650 |
必須の電源 | 8ピン×2または300W以上の12VHPWR×1 | 8ピン×2(×1の場合も)または300W以上の12VHPWR×1 | 8ピン×2または300W以上の12VHPWR×1 |
参考価格 ※2024年4月現在 | 約113,000円 | 約98,000円 | 約83,000円 |
CUDAコア数を見てわかる通り、RTX 4070 SUPERのスペックは上位モデルのRTX 4070 Tiに限りなく近いです。
性能はRTX 4070 Tiに近いのに、グラフィックスカード電力(W)は220Wと、RTX 4070と比べてわずか20Wほどしかアップしていません。
RTX 4070 SUPERは極めてワットパフォーマンスが高いGPUといえます。
そのほか、AV1エンコードに対応しています。画質を維持したまま容量を大幅に減らせるので、ゲーム配信や動画編集用のプレー動画を録画する際に役立ちます。
RTX 4070 SUPERのゲーム性能について
RTX 4070 SUPERのゲーム性能を他のGPUと比較します。なお、ゲームのグラフィック設定は最高設定に統一しています。
検証環境を見るにはここをクリック
検証環境
検証環境 | |
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CPU | インテル 「Core i5-14600KF」 |
CPUグリス | ARCTIC 「MX-4」 |
ビデオカード | PNY「GeForce RTX 4070 Super 12GB VERTO OC」 |
マザーボード | GIGABYTE「B760 AORUS ELITE」 |
メモリ | Kingston 「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(型番:KF580C38RSAK2-32)」(16GB×2) (DDR5-4800に設定) |
SSD | Kingston「NV2 SSD 2TB」 Western Digital「WD_BLACK SN770 NVMe 1TB」 Western Digital「WD Blue SN580 NVMe SSD 1TB」 |
電源ユニット | Corsair「RM750e」 |
PCケース | XPG「VALOR AIR JP2」 |
OS | Windows 11 Home 64bit版 |
軽量級ゲーム
軽量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均291fps、WQHD解像度では208fps、4K解像度では105fpsでした。
下位モデルのRTX 4070と比較すると、フルHD解像度では約11%、WQHD解像では約17%、4K解像度では約18%上回っています。
検証に使用した軽量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのRTX 4070 Superの平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
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レインボーシックスシージ | 443fps | 308fps | 148fps |
オーバーウォッチ2 | 280fps | 202fps | 108fps |
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー | 198fps | 148fps | 73fps |
BLUE PROTOCOL | 242fps | 174fps | 90fps |
中量級ゲーム
中量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均174fps、WQHD解像度では139fps、4K解像度では90fpsでした。
下位モデルのRTX 4070と比較すると、フルHD解像度では約11%、WQHD解像では約13%、4K解像度では約14%上回っています。
検証に使用した中量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのRTX 4070 Superの平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
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Forza Horizon 5 | 167fps | 146fps | 105fps |
アサシンクリードミラージュ | 162fps | 126fps | 75fps |
Call of Duty: Modern Warfare III | 193fps | 145fps | 90fps |
重量級ゲーム
重量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均135fps、WQHD解像度では107fps、4K解像度では58fpsでした。
下位モデルのRTX 4070と比較すると、フルHD解像度では約11%、WQHD解像では約17%、4K解像度では約19%上回っています。
検証に使用した重量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのRTX 4070 Superの平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
Watch Dogs: Legion | 141fps | 113fps | 63fps |
アーマードコア6 | 118fps | 117fps | 71fps |
サイバーパンク2077 | 145fps | 90fps | 39fps |
DLSS
RTX 4070 SUPERはDLSS 3.0(FG)に対応しています。対応ゲームであれば、DLSSを設定していない状態に比べると、2倍以上平均フレームレートが上昇します。
RTX 4070 SUPERの強みと弱みについて
強み | 弱い |
---|---|
フルHD、WQHD解像であれば、ハイフレームレートでゲームがプレーできる DLSS 3.0(FG)対応 VRAM容量は12GBと余裕がある ワットパフォーマンスは優秀 AV1エンコードに対応 | 重量級ゲームの4K解像度のプレーは厳しい |
RTX 4070 SUPERのゲーム性能は十分高く、WQHD解像度までであれば、144fpsでゲームプレーすることも十分可能です。
一方、4K解像度では例えば、超重量級ゲームのサイバーパンク2077のプレーは正直厳しいです。
とはいえ、Watch Dogs: Legionやアーマードコア6では平均60fpsでゲームプレーも可能なので、一概には4K解像度のゲームプレーは不可能というわけではないです。
また、どうしてもフレームレートが足らない場合、DLSSなどのアップスケーリングを組み合わせることで、フレームレートを押し上げることが可能です。
さらに、DLSS 3.0(FG)対応ゲームであれば、さらにフレームレートを伸ばすことも可能です。
VRAM容量は12GBですが、正直ほとんどのゲームでは十分事足ります。VRAM容量8GBでは厳しいゲームも出てきているので、その点12GBもあるとVRAM容量不足に悩むことなく、余裕をもってゲームをプレーできます。
競合となるのはRTX 4070ですが、ゲームによっては、平均フレームレートは10~20fps位差が開きます。ゲーム性能は明確に差はあるので、より快適にゲームをプレーしたいのなら、RTX 4070 SUPERのほうをおすすめします。
RTX 4070 SUPER搭載おすすめゲーミングPC
FRGKB550/WS501/NTK
スペック | |
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CPU | Ryzen 7 5700X |
GPU | RTX 4070 Super |
メモリ | 32GB (16GB x2) |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD |
M.2スロット | 1個(空きスロット0) |
マザーボード | ASRock B550M-HDV (Micro ATX) |
電源 | 850W 80PLUS GOLD |
価格 | 199,980円+送料2,200円 |
FRONTIERの「
「Ryzen 5 5700X」は8コア16スレッドのZEN3世代のCPUで、性能は十分高く、RTX 4070あたりのビデオカードとの組み合わせであれば、極端な性能不足を感じることはほとんどないです。
ただ、CPU性能はそこまで高くないので、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は少し弱いです。
ストレージは1TBモデルを搭載。複数のゲームをインストールできる余裕があります。
マザーボードはMicro ATXサイズの「ASRock B550M-HDV」を採用。
M.2スロットは1基しかないので、M.2 NVMe SSDを増設することはできません。ただし、SATAポートは4基あるので、ストレージ自体の増設は可能です。
メモリは大容量ののDDR4-3200の32GB(16GB×2)を搭載しています。
PCケースは、容量30Lのコンパクトサイズに高いエアフロー性能を誇るミニタワー型です。
小型ですが、垂直エアフロー構造で効率的なエアフローを実現しています。さらにツールレスでサイドパネルを取り外せるので、メンテナンスも楽です。
ケースの寸法は幅(W):約210mm x 高さ(H):約457mm x 奥行(D):約465mmです。
欠点もありますが、RTX 4070 SUPER搭載モデルとしては破格の20万円以下という価格は魅力的です。
メリット | デメリット |
---|---|
コスパは優秀 小型 大容量メモリ(32GB) PCケースの色(黒色or白色)を選べる | M.2 NVMe SSDの増設はできない クリエイティブ性能は少し弱い |
MDL_LI74070S
スペック | |
---|---|
CPU | Core i7-13700KF |
GPU | RTX 4070 SUPER |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 500GB M.2 NVMe SSD |
M.2スロット | 不明 |
マザーボード | B760 (Micro ATX) |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
価格 | 229,800円+送料0円 |
MDL.makeの「MDL_LI74070S
「Core i7-13700KF」はインテル第13世代のCore i7です。Pコア8、Eコア8の16コア24スレッドという強力なマルチスレッド性能があり、さらにシングル性能も高いです。
RTX 4070 SUPERあたりのビデオカードとの組み合わせであれば、極端な性能不足を感じることはほとんどないです。
CPU性能も十分高く、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は優秀です。
ストレージは500Bモデルを搭載。ゲームを複数インストールする予定であれば、不安のあるストレージ容量です。できれば、最低でも1TBへの増設をおすすめします。
マザーボードは特に記載されていませんが、B760チップセット搭載のMicro ATXサイズのマザーボードを採用。M.2スロットの空きスロットは不明です。
メモリはDDR4-3200の16GBを搭載しています。デュアルチャネル(8GB×2)なのかそれともシングルチャネル(16GB×1)なのか、特に記載されていません。
PCケースは、特に記載されていませんが、製品写真を見る限り、「Versa H17」、ガラスケースは「S100 TG」を採用していると思われます。ガラスケースは+3,000円で変更可能です。
標準ケースの寸法は幅(W):約205mm x 高さ(H):約400mm x 奥行(D):約423mmです。
ガラスケースの寸法は幅(W):約220mm x 高さ(H):約411mm x 奥行(D):約441mmです。
メリット | デメリット |
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コスパは優秀 クリエイティブ性能が強い PCケースを選べる | マザーボードやメモリなど仕様が不明な点が多い 標準のストレージ容量が500GB |
NEXTGEAR JG-A7G7S
CPU:Ryzen 7 5700X
GPU:RTX 4070 SUPER
メモリ:8GB×2
ストレージ:1TB M.2 NVMe SSD
電源:750W 80PLUS BRONZE
価格:229,900円
G-GEAR GE5J-C242/B
CPU:Core i5-14400F
GPU:RTX 4070 Super
メモリ:DDR4-3200 16GB×2
ストレージ:1TB M.2 NVMe SSD
電源:850W 80PLUS GOLD
価格:239,800円
GALLERIA RM5C-R47S 『Minecraft: Java & Bedrock Edition for PC、Xbox Game Pass同梱版』
CPU:Core i5-14400F
GPU:RTX 4070 SUPER
メモリ:DDR4-3200 8GB×2
ストレージ:500GB M.2 NVMe SSD
電源:650W 80PLUS BRONZE
価格:241,980円
FRGKB760/WSA/NTK
CPU:Core i7-14700F
GPU:RTX 4070 SUPER
メモリ:16GB×2
ストレージ:1TB M.2 NVMe SSD
電源:850W 80PLUS GOLD
価格:244,800円
以上が筆者がおすすめするRTX 4070 SUPER搭載モデルです。価格の違いはほぼCPUのグレードです。ただ、正直最安モデルがよく採用しているRyzen 7 5700XなどでもRTX 4070 SUPERの性能は十分引き出せます。コスパ重視であれば、あまりCPUのグレードは気にする必要はないと思います。
まとめ
RTX 4070 SUPER搭載モデルはBTO各社のモデルをまとめてみると、極端に安いものから高いものまで幅が広い印象です。
ただ、よく探していて見ると、FRONTIERやMDL.makeなどのように20万円前後で売り出しているモデルも見つかります。
コスパの良いRTX 4070 SUPER搭載モデルを探しているのなら、予算は20万円~25万円ほど用意しておけば問題ないと思います。