2022年1月、NVIDIAのGPUのRTX 3050を搭載したビデオカードの販売が開始されました。
RTX 3050の立ち位置は、RTX 3060の下位モデルという位置づけで、RTX30シリーズのエントリーモデルといえる存在です。
エントリークラスとはいえ、VRAM容量はしっかり8GB搭載しているのが特徴です。
最新のRTX40シリーズのRTX 4050はラップトップ版にしか存在せず、デスクトップに限ると、RTX 3050はレイトレ、DLSSに対応した最安モデルということになります。
今回の記事ではRTX 3050の特徴、ゲーム性能を解説し、最後におすすめのゲーミングPCを紹介します。
RTX 3050とは
RTX 3060 | RTX 3050 | GTX 1660 SUPER | |
---|---|---|---|
CUDAコア数 | 3,584 | 2,560 | 1,408 |
ベース/ブーストクロック | 1,320MHz / 1,780MHz | 1,552MHz / 1,777MHz | 1,530MHz / 1,785MHz |
標準メモリ構成 | GDDR6 12GB(192bit) | GDDR6 8GB(128bit) | GDDR6 6GB (192bit) |
レイトレーシングコア(RTコア) | 28(第2世代) | 20(第2世代) | – |
Tensorコア | 112(第3世代) | 80(第3世代) | – |
NVIDIAアーキテクチャー | Ampere | Ampere | Turing |
NVIDIA DLSS | 2 | 2 | – |
NVIDIA Encoder(NVENC) | 第7世代×1 | 第7世代×1 | 第6世代×1 |
AV1エンコード/デコード | ×/〇 | ×/〇 | ×/× |
グラフィックスカード電力(W) | 150 | 130 | 125W |
システム電力要件(W) | 550 | 550 | 450 |
必須の電源 | 8ピン×1 | 8ピン×1 | 8ピン×1 |
参考価格 ※2024年4月現在 | 約37,000円 | 約35,000円 | 約43,000円 |
RTX30シリーズの最も下位に位置するモデルということで、RTX 3050のスペックはかなり大人しめです。
CUDAコア数を比較すると、上位モデルのRTX 3060と比較すると、1000位少ないです。メモリバス幅、VRAM搭載量も負けています。
ただし、GTX16シリーズのエントリーモデルのGTX 1660 SUPERと比較すると、メモリバス幅は負けていますが、CUDAコア数やVRAM容量は勝っています。
また、GTX 1660 SUPERはレイトレーシングやDLSSには非対応ですが、RTX 3050は対応しています。同じエントリークラスですが、RTX 3050とGTX 1660 SUPERの間には、明確な差があります。
グラフィックスカード電力(W)は約130Wとかなり控えめです。GTX 1660 SUPERとほぼ同じです。
RTX 3050のゲーム性能について
RTX 3050のゲーム性能を他のGPUと比較します。なお、ゲームのグラフィック設定は最高設定に統一しています。
検証環境を見るにはここをクリック
検証環境
検証環境 | |
---|---|
CPU | インテル 「Core i5-14600KF」 |
CPUグリス | ARCTIC 「MX-4」 |
ビデオカード | Palit「GeForce RTX 3050 StormX OC」 |
マザーボード | GIGABYTE「B760 AORUS ELITE」 |
メモリ | Kingston 「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(型番:KF580C38RSAK2-32)」(16GB×2) (DDR5-4800に設定) |
SSD | Kingston「NV2 SSD 2TB」 Western Digital「WD_BLACK SN770 NVMe 1TB」 Western Digital「WD Blue SN580 NVMe SSD 1TB」 |
電源ユニット | Corsair「RM750e」 |
PCケース | XPG「VALOR AIR JP2」 |
OS | Windows 11 Home 64bit版 |
軽量級ゲーム
軽量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均107fps、WQHD解像度では68fps、4K解像度では31fpsでした。
同じエントリーモデルのGTX 1660 SUPERと比較すると、フルHD解像度では約10%、WQHD解像では約9%、4K解像度では約12%上回っています。
検証に使用した軽量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのRTX 3050の平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
レインボーシックスシージ | 165fps | 102fps | 48fps |
オーバーウォッチ2 | 98fps | 63fps | 36fps |
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー | 74fps | 48fps | 24fps |
BLUE PROTOCOL | 90fps | 60fps | 32fps |
中量級ゲーム
中量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均61fps、WQHD解像度では46fps、4K解像度では29fpsでした。
同じエントリーモデルのGTX 1660 SUPERと比較すると、フルHD解像度では約26%、WQHD解像では約22%、4K解像度では約27%上回っています。
検証に使用した中量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのRTX 3050の平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
Forza Horizon 5 | 62fps | 51fps | 33fps |
アサシンクリードミラージュ | 59fps | 43fps | 26fps |
Call of Duty: Modern Warfare III | 62fps | 44fps | 27fps |
重量級ゲーム
重量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均51fps、WQHD解像度では35fps、4K解像度では19fpsでした。
同じエントリーモデルのGTX 1660 SUPERと比較すると、フルHD解像度では約12%、WQHD解像では約12%、4K解像度では約17%上回っています。
検証に使用した重量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのRTX 3050の平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
Watch Dogs: Legion | 49fps | 36fps | 21fps |
アーマードコア6 | 56fps | 42fps | 23fps |
サイバーパンク2077 | 48fps | 28fps | 12fps |
DLSS
RTX 3050はDLSS 2.0に対応しています。対応ゲームであれば、DLSSを設定していない状態に比べると、2倍以上平均フレームレートが上昇します。ただし、DLSS 3.0(FG)は非対応です。
RTX 3050の強みと弱みについて
強み | 弱い |
---|---|
フルHD解像度の中量級ゲームであれば、平均60fpsでゲームがプレーできる DLSS 2.0対応 VRAM容量は8GBとエントリークラスとしては大容量 | WQHD、4K解像度でのプレーは厳しい フルHD解像度の重量級ゲームのプレーは厳しい レイトレに対応しているが性能が足りていない DLSS 3.0(FG)には非対応 AV1エンコードに非対応 |
RTX 3050のゲーム性能はエントリークラスとして考えると十分高く、フルHD解像度の中量級のゲームであれば、平均60fpsでプレーすることも十分可能です。
ただ、WQHD、4K解像度だけでなく、負荷の重いゲームはフルHD解像度でさえも厳しいです。
どうしてもフレームレートが足らない場合、DLSSなどのアップスケーリングを組み合わせることで、フレームレートを押し上げることが可能です。
VRAM容量は8GBとエントリークラスにしては大容量です。近年フルHD解像度でもVRAM消費量は6GBくらい消費するのは当たり前なので、8GBあると少し安心できます。
ただし、RTX 3050はVRAM6GB版があるので注意してください。VRAM容量が少ないだけでなく、CUDAコア数やメモリバス幅などもスペックダウンしています。
ゲーム性能も低くなっているので、ゲーミングPCを探す場合、VRAM容量に気を配る必要があります。
6GB版は8GB版に比べてゲームの平均fpsは10位落ちます。
RTX 3050搭載おすすめゲーミングPC
Lightning AS5
スペック | |
---|---|
CPU | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 3050 8GB |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 500GB M.2 NVMe SSD |
M.2スロット | 1個(空きスロット0) |
マザーボード | A520 (Micro ATX) |
電源 | 550W 80PLUS BRONZE |
価格 | 104,980円+送料0円 |
ドスパラの「
「Ryzen 5 4500」は6コア12スレッドのZEN2世代のCPUで、高性能というわけではないですが、RTX 3050あたりのビデオカードとの組み合わせであれば、性能不足を感じることはないです。
ただ、CPU性能はそこまで高くないので、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は弱いです。
ストレージは500Bモデルを搭載。ゲームを複数インストールする予定であれば、不安のあるストレージ容量です。できれば、最低でも1TBへの増設をおすすめします。
1TBへの増設は+7,000円で可能です。
マザーボードは特に記載されていませんが、A520チップセット搭載のMicro ATXサイズのマザーボードを採用。
M.2スロットは1基しかないので、M.2 NVMe SSDを増設することはできません。ただし、SATAポートは4基あるので、ストレージ自体の増設は可能です。
メモリは大容量ののDDR4-3200の16GB(8GB×2)を搭載しています。
PCケースは、EM041 ミニタワーケース (MicroATX)を採用。PCケースはコンパクトでありながら、優れた拡張性を実現し、120mmの大型ファンでスムーズな空気の流れを形成します。
ケースの寸法は幅(W):約190mm x 高さ(H):約360mm x 奥行(D):約420mmです。
メリット | デメリット |
---|---|
コスパは優秀 RTX3050はVRAM8GB版を採用 | M.2 NVMe SSDの増設はできない 標準のストレージ容量が500GB クリエイティブ性能は弱い |
iiyama LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE
スペック | |
---|---|
CPU | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 3050 6GB |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 500B M.2 Gen 4 NVMe SSD |
M.2スロット | 2個(空きスロット1) |
マザーボード | Asrock B550M Pro4 (MicroATX) |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
価格 | 99,800円+送料2,200円 |
パソコン工房の「iiyama LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE
「Ryzen 5 4500」は6コア12スレッドのZEN2世代のCPUで、高性能というわけではないですが、RTX 3050あたりのビデオカードとの組み合わせであれば、性能不足を感じることはないです。
CPU性能はそこまで高くないので、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は少し弱いです。
「RTX 3050」はVRAM6GB版です。8GB版に比べると若干ゲーム性能は落ちます。
ストレージはGen3接続のNVMe SSDの500GBモデルを搭載。できれば1TBへの増設をおすすめします。
マザーボードはMicroATXサイズの「Asrock B550M Pro4」を採用。M.2スロットは2基あり、空きスロットは1基なので、SSDの増設は可能です。
メモリはDDR4-3200の16GB(8GB×2)を搭載しています。
PCケースにはThermaltake製のミニタワーケース「S100 TG」をベースとしたオリジナル筐体を採用。スイングドア方式を採用した強化ガラス製サイドパネルが特徴のPCケースです。
LEDケースファンを搭載しているため、サイドパネルパネルからライティングを楽しめます。
ケースの寸法は幅(W):約220mm x 高さ(H):約441mm x 奥行(D):約411mmです。
メリット | デメリット |
---|---|
コスパは優秀 M.2 NVMe LEDケースファンを搭載 | クリエイティブ性能は少し弱い ストレージは500GB RTX3050はVRAM6GB版を採用 |
以上が筆者がおすすめするRTX 3050搭載モデルです。最安モデルは10万円前半からあり、買いやすい価格帯に落ち着いています。
まとめ
RTX 3050搭載モデルはBTO各社のモデルをまとめてみると、高コスパモデルと位置付けており、買いやすい価格帯に設定しています。
安いモデルは9万円~10万円前半という相場なので、他のGPUを搭載しているモデルに比べると予算が抑えられるため、買いやすいです。
コスパの良いRTX 3050搭載モデルを探しているのなら、予算は10万円ほど用意しておけば問題ないと思います。