大抵のキャプチャーボードはパソコンを介して動かす必要があるので、ある程度のPCスペックが必要です。
しかし、 I-O DATAのGV-HDRECであればパソコン不要でゲームキャプチャーが可能です。
つまり、低スペックなパソコンしか持っていない、またはそもそもパソコンすら持っていない方でも、ゲームキャプチャが可能だということです。
今回は、PC不要のキャプチャーボードのGV-HDRECをレビューしたいと思います。
目次
GV-HDRECの仕様
製品仕様 | ||
インターフェイス | HDMI端子 | 入力×1、出力×1 (パススルー・CEC対応) |
ヘッドセット端子 | 3.5mm 4極ステレオミニジャック×1 (CTIA規格準拠) | |
AV入力端子 | 3.5mm3.5mm 4極ミニジャック×1 (添付のAV入力変換ケーブルを接続) | |
SDカードスロット | 記録・再生用×1 | |
USBポート | USB 2.0×1 | |
外形寸法 | 約140mm(W)×32mm(D)×60mm(H) | |
質量 | 約160g(ボタン電池含む、ACアダプター除く) | |
電源 | AC100V 50/60Hz(ACアダプター) | |
添付品 | ・ACアダプター×1 ・HDMIケーブル×1 ・取扱説明書 ・AV入力ケーブル×1 ・内蔵時計用電池×1※本体に装着済み | |
保証期間 | 1年 |
記録仕様 | |||||
映像 | 記録方式 | MPEG-4 AVC/H.264(MP4) | |||
画像サイズ | 1920×1080 | 1280×720 | 720×480 | ||
フレームレート | 60fps | 30fps | 60fps | 60fps | |
ビットレート | 36/28Mbps | 16Mbps | 12Mbps | 4Mbps | |
音声 | 記録方式 | AAC | |||
サンプリングレート | 48kHz | ||||
ビットレート | 256kbps |
GV-HDRECの付属品をチェック
GV-HDRECの付属品一覧です。
AV入力変換ケーブルです。HDMI端子がついていないゲーム機でも、赤、白、黄のRCA端子がついていれば、この変換ケーブルを使って、GV-HDRECに接続できます。
GV-HDRECの外観をチェック
GV-HDRECの外形寸法は幅が140mm、奥行きが32mm、高さが60mmです。
上面に操作面があります。決定ボタンの周りにある4つの矢印ボタンは「カーソル移動」です。ちなみに操作ボタンの左横にある、四角いディスプレイなものはフェイクです。何もありません。
また、カバーを外すと、ボタン電池が挿入されています。これは時刻合わせのためのものです。
前面です。「SDカードスロット」、「ステータスランプ」、「ヘッドセット端子」があります。
背面です。「AV入力端子」、「HDMI入力端子」、「HDMI出力端子」、「USB端子」、「DC-INジャック」があります。
GV-HDRECの接続方法
接続するゲーム機について
今回は、実験を兼ねて、あえて動作確認済みのゲーム機リストに掲載されていない、セガのアストロシティミニを使用したいと思います。
ちなみに公式が発表している動作確認済みのゲーム機は以下のようになります。
動作確認済みのゲーム機
・PlayStation®5(HDMI)
・PlayStation®4 Pro(HDMI)
・PlayStation®4(HDMI)
・PlayStation®3(アナログ)
・PlayStation®2(アナログ)
・PlayStation®(アナログ)
・PlayStation®VR(HDMI)
・PlayStation®Classic(HDMI)
・Nintendo Switch™(HDMI)
・Wii U™(HDMI)
・Xbox One S®(HDMI)
・Xbox One®(HDMI)
・ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ™(HDMI)
・ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン™(HDMI)
・セガサターン®(アナログ)
・スーパーファミコン®(アナログ)
・AV仕様ファミリーコンピュータ®(アナログ)
・レトロフリーク(HDMI)
GV-HDRECとアストロシティミニを接続
イメージ図
接続の全体のイメージ像は付属のかんたんガイドの図が参考になります。簡単に言うと、GV-HDRECにゲーム機、モニターを接続します。
準備するもの
実際に接続する前に準備するものがあります。それはHDMIケーブルです。実は付属しているもの以外にもう一本、HDMIケーブルが必要だからです。つまり、HDMIケーブルは計2本必要になります。
ステップ① GV-HDRECとゲーム機をHDMIケーブルで接続する
GV-HDRECの「HDMI入力端子(HDMI IN)」にHDMIケーブルをさします。
ゲーム機(アストロシティミニ)の「HDMI出力端子」にHDMIケーブルをさします。
ステップ② GV-HDRECとモニターをHDMIケーブルで接続する
GV-HDRECの「HDMI出力端子(HDMI OUT)」にHDMIケーブルをさします。
モニターの「HDMI入力端子」にHDMIケーブルをさします。
ステップ③ 電源アダプターを接続する
GV-HDRECの「DC-INジャック」にACアダプターをさします。
GV-HDRECの使い方
使用できるストレージについて
データを残すには、GV-HDRECにストレージをセットする必要があります。使用できるストレージは「SDカード」と「USBストレージ」の2種類があります。
SDカード
使用できるSDカードの詳細 | |
対応カード | SDカード、SDHCカード、SDXCカード |
スピード | class2~10、UHS-1、スピードクラス1~3 |
最大容量 | 128GB |
ここで注意なのが最大容量です。128GBが最大容量なので、これ以上の容量のSDカードを使用しても意味がないです。
また、フルHD最高画質、高画質で録画するには、class6以上である必要があります。
USBストレージ
対応するUSBストレージは「USBメモリ」と「USBハードディスク」になります。FAT32形式、exFAT形式に対応しています。まだ最大容量は2TBまでです。2TBを超える容量の場合、2TBとして認識されます。
最大の注意がNTFS形式、若しくは2TB以上の容量のUSBストレージをGV-HDRECにつないだ瞬間、フォーマットされるという点です。

録画時間の目安
フルHD高画質での目安 | ||||
ストレージの容量 | 64GB | 128GB | 1TB | 2TB |
録画時間 | 約4時間30分 | 約9時間 | 約75時間 | 約150時間 |
録画時間ですが、正直128GBで9時間保存できるので、あまり大容量のストレージは必要ないと感じています。
録画する
GV-HDRECの電源をONにし、ゲームを起動します。画面にOSD(文字)が表示されます。右上の数字は録画可能時間です。
録画したいシーンが来たら、「録画/停止ボタン」を押すと録画が開始されます。
録画が開始されると、右上に録画マークが表示されます。録画を停止するには、再度「録画/停止ボタン」を押します。
もし、ゲームをしながら、自分の音声も記録したいのなら、ヘッドセットやマイクをGV-HDRECのヘッドフォンジャックにさします。
ただし、対応しているのは線が1本の4極のみで、線が2本になっている3極には対応していません。そのため、3極のヘッドセットやマイクを使用したいのなら、3極→4極に変換するプラグが必要になります。

再生する
録画された動画データはストレージに保存されます。そのストレージをパソコンに接続すれば、動画データをパソコン上で再生できます。
また、たとえ、パソコンがなくても、GV-HDREC上で録画データを再生できます。再生するには、「記録/再生ボタン」を押して、再生モードに切り替える必要があります。
再生モードに切り替わると、サムネイルが表示されます。再生したいサムネイルに合わせて、「決定ボタン」を押せば、録画データが再生されます。
また、録画データを再生中、「決定ボタン」を押すと、静止画を保存できます。

GV-HDRECの良かったところ・悪かったところ
ココがポイント
・キャプチャーボードとしては比較的安価
・パソコン不要でゲームをキャプチャ可能
・マイクも使用できるので、ゲームしながらの実況プレーが収録できる
・パススルー機能が使える
・ストレージをSDカードにすると抜き差しが非常に楽
・AV入力変換ケーブルを使うと、レトロゲームのキャプチャが可能
・高画質でキャプチャが可能
ココがダメ
・youtube liveやtwitchなど、リアルタイムのゲームの実況プレーの配信は不可能
・常時パススルーにするとOSDの表示が消える
まとめ
GV-HDRECは発売日が2016年と古いですが、今でもキャプチャボードの売り上げ上位に来るほどの定番商品となっています。
実際に使ってみて、パソコン不要でキャプチャできるお手軽さに感動しました。初めてのキャプチャボードとして、GV-HDRECはおすすめできます。
最後に注意点があります。それはGV-HDREC/Eという類似品があることです。GV-HDRECとGV-HDREC/Eに違いはほとんどありません。
唯一の違いは、HDMIケーブルの有無です。GV-HDRECにはHDMIケーブルが付属し、GV-HDREC/EにはHDMIケーブルが付属しません。
それでいて、価格もほとんど変わらず、下手すると、GV-HDRECのほうが安い場合があります。あえて、GV-HDREC/Eを選ぶ必要はありません。