昨今、ビデオカードの高騰により、BTOパソコンそのものの価格にも影響を与えています。特にハイスペックなビデオカードを積んだモデルはその傾向が顕著です。
そこで今回は、GTX1660 superというミドルクラスのビデオカードを積んだ、お手頃価格のレノボのゲーミングBTOパソコン、Legion T550Tiをレビューしたいと思います。

目次
Legion T550Tiとは
Legionはレノボが展開するゲーミングブランドのことです。主に、デスクトップパソコン、ノートパソコンで展開されています。
デスクトップパソコンでは、2021年12月現在、「Legion T750i」、「Legion T550i」、「Legion T550」の3種類が販売されています。
「Legion T750i」はいわゆるフラッグシップモデルに位置付けられているモデルです。性能は抜群に高いですが、その分、価格は全体的に高価です。
今回レビューする
「Legion T550i」は、性能はほどほどですが、価格は全体的に低価格です。いわゆるコスパが高いです。また特徴としてはインテル製のCPUを搭載しています。
「Legion T550」は「Legion T550i」と同じく、コスパが高いです。ただ、「Legion T550i」違って、AMD製のCPUのRyzenを搭載しています。
Legion T550iの全モデル | ||||||
型番 | 90NC006XJM | 90NC007CJM | 90NC0079JM | 90NC006PJM | 90NC00KKJM | 90NC00ERJM |
CPU | Core i7-10700 | Core i5-10400 | Core i7-10700 | Core i7-10700 | Core i7-10700 | Core i7-10700 |
OS | Windows 10 Home 64 | Windows 10 Home 64 bit | Windows 10 Home 64 bit | Windows 10 Home 64 | Windows 10 Home 64 | Windows 10 Home 64 |
メモリー | DDR4-2933 8 GBx2 | DDR4-2933 8GB×1 | DDR4-2933 8GB×2 | DDR4-2933 8GB×2 | DDR4-2933 8GB×2 | DDR4-3200 8GB×2 |
ストレージ | 2 TB HDD + 256 GB SSD | 1 TB HDD + 256 GB SSD | 1 TB HDD + 256 GB SSD | 2 TB HDD + 256 GB SSD | 2 TB HDD + 512 GB SSD | 2TB HDD +512GB SSD |
標準保証 | 1年間 Legion Ultimate Support | 1年間 Legion Ultimate Support | 1年間 Legion Ultimate Support | 1年間 Legion Ultimate Support | 1年間 Legion Ultimate Support | 1年間 Legion Ultimate Support |
電源アダプター | 650W | 400W | 650W | 650W | 650W | 650W |
Officeソフト | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
ビデオカード | GTX 1660 Super | GTX 1650 Super | GTX 1650 Super | RTX 2060 | RTX 3070 | RTX 2060 |
ワイヤレスアダプター | Wi-Fi 6対応+Bluetooth | Wi-Fi 6対応+Bluetooth | Wi-Fi 6対応+Bluetooth | Wi-Fi 6対応+Bluetooth | Wi-Fi 6対応+Bluetooth | Wi-Fi 6対応+Bluetooth |
参考価格 | 148,192円 | 97,814円 | 133,335円 | 164,446円 | 206,505円 | 233,661円 |
「Legion T550i」は2021年12月現在、5モデル展開されています。今回自分がレビューするのは、「90NC006XJM」という型番のモデルです。
この型番のモデルは、CPUはインテル第10世代、Comet Lake-Sのcore i7-10700、ビデオカードはGTX1660 SUPERを搭載しているのが大きな特徴です。
ただ、2021年12月現在、残念ながらこのモデルは購入できなくなっています。
Legion T550Tiの外観
サイズ
幅は約185mm、奥行は約457mm、高さは456mmです。
正面
正面です。非常に落ち着いた印象です。ゲーミングパソコンということで派手なデザインだと決めつけていたのですが、いい意味で裏切られました。このデザインであれば、どこに置いても違和感は感じにくいと思います。
正面パネルの上部にはLegionのロゴがあり、良いアクセントになっています。後述しますが、このロゴは光ります。
正面パネルの出張っている個所にも2箇所のスリット(隙間)がもうけられています。
サイド
左パネルはガラスではないので、中身が見えないようになっていますが、「LEGION」というロゴが映えます。
また左右のパネルにも吸気用のスリット(隙間)がもうけられています。
背面
ここに手を入れられるので、PCケースを持ち上げる際、非常に便利です。
背面のインターフェースです。マザボード側には、「USB 3.0 Type-C×1」、「USB 3.0×2」、「USB 2.0×2」、「LANポート」、「オーディオポート(ライン出力×1、ライン入力×2、マイクロホン×1)」が配置されています。
ビデオカード側には、「Duak link DVI-D×1」、「HDMI×1」、「DisplayPort×1」が配置されています。
トップパネル
インターフェイスはトップパネル前面に配置されています。左から「USB 3.0×2」、「オーディオ入出力端子」、「電源ボタン」です。
トップパネルは平べったいですが、後方だけが盛り上がっているデザインをしています。一般的なPCケースのデザインとは一線を画しているので、見ていて飽きがこないです。
底面
四隅にゴム脚がついています。滑り止めになるので、しっかり固定できます。
Legion T550Tiの内部
左サイドパネルを外して内部を見てみます。マザーボードはレノボ特注で、チップセットはB460です。M-ATXということもあり、内部はかなりスッキリした印象です。
ビデオカードはGTX1660 SUPERです。ショートサイズモデルなので、かなり小型です。
M.2のSSD(256GB)が装着済みでした。LEGIONロゴの入ったヒートシンクが目立ちます。
WiFi6に対応したワイヤレスアダプタが装着済みです。有線だけでなく、無線での接続も可能です。
メモリは8GのDDR4-2933で2枚装着済みでした。スロットはまだ2本空いているので、増設も可能です。
電源ユニットはFSP製のもの(型番:FSP650-70ALA)です。80PLUS GOLD認証で、電源容量は650Wです。
3.5インチベイです。3.5インチのHDDを2つ設置できます。ちなみに2TBのHDDは設置済みでした。
SATA電源とSATAコネクタが3.5インチベイの奥に埋め込まれているので、HDDの増設は非常に楽です。HDDを差し込むだけで接続が完了します。
続いて、反対側のパネルを外してみます。綺麗に裏配線がされています。
くぼみがあり、そこにケーブルを納めることができるような構造になっています。
Legion T550Tiの性能をチェック
定番ベンチマーク

ゲームベンチマーク

ゲームプレー時の平均fpsを計測
フォートナイト
設定:中設定
Apex Legends
設定:デフォルトのまま
VARORANT
設定:中設定
サイバーパンク2077
設定:中設定
BF2042
設定:中設定

配信(OBS)時の平均fpsを計測
OBSを使ってtwtichで配信した状態のフレームレートを計測してみました。ゲームはサイバーパンク2077で、フルHD、中設定です。配信時はフレームレートが10ほど下落し、60fpsを下回りました。
軽いゲームなら配信しても問題ないですが、超重量ゲームでの配信は少し厳しい印象です。ゲームでの解像度やグラフィック設定を下げるといったことが必要になるかもしれません。
なおOBSの設定は以下の通りです。
ストレージの性能
Legion T550iの90NC006XJMのストレージは、M.2のSSD(256GB)、HDD(2TB)の2つのストレージが搭載されています。
Crystal Disk Infoを使って、ストレージの製品名を調べてみました。SSDはWestern Digitalの「PC SN730 NVMe SSD」で、HDDはSEAGATEの「ST2000DM008」が搭載されていました。
PC SN730 NVMe SSDの読み込みは約3200MB/s、書き込みは約2200MB/sでした。十分な速さです。OSもこちらのSSDに入っているため、パソコンが起動するまでに時間も短く、ストレージの速さを実感します。
一方、ST2000DM008の方は読み込みは約224MB/s、書き込みは約210MB/sと、HDDとしてはごくごく標準の速さです。
CPU温度
Cinebench R23実行時のCPU温度推移を調べてみました。おおむね、90度前後に収まっていますが、最高で96度まで到達していました。CPU温度は若干高めな印象です。
ただゲーム中のCPU温度推移はおとなしかったです。最高で90度に達しましたが、おおむね80度前後を推移しています。普段使いにおけるCPU温度についてはそこまで心配する必要はありません。
消費電力
システム全体の消費電力をワットチェッカーを使って計測してみました。アイドル時は30W前後で、ゲーム中は230W前後でした。ゲーミングPCとしてはかなり低消費電力だと思います。
アイドル時は30Wということで、普段使い用のPCとしても気軽に使えそうです。
騒音
簡易的な騒音計を使って騒音を計測してみました。アイドル時は40dBA前後でした。若干ファンの音が感じられるだけで、総じて静かな印象です。個人的に全く気にならない騒音レベルでした。
一方、ゲーム中の騒音は50dBA前後でした。確かに音ははっきりと聞こえるのですが、負荷がかかっていると考えた場合、驚く位静かだと感じました。ヘッドホンなどをしていれば、全く気にならないレベルの騒音だと思います。
Lenovo Vantage
Lenovo Vantageとは、様々な機能で、ゲームプレーやPCライフを快適にしてくれるアプリです。ここでは特に重要だと思われる機能に絞って紹介したいと思います。
サーマルモード
「パフォーマンスモード」、「バランスモード」、「静音モード」という3つのモードを切り替えて、パフォーマンスとファンの速度を変更できます。
ネットワークブースト
ネットワークブーストとは、特定のゲームの通信優先度を最大にしてくれる機能です。他のアプリやwindowsの機能より優先して通信されるようになるので、よりゲームが快適になります。
さらに、twitchなどの配信ソフトも任意で通信優先度を上げることができます。
自動クローズ
自動クローズとはゲームを起動しているときだけ、登録しておいた常駐アプリ等を自動で終了させる機能のことです。
常駐アプリはcpuやメモリのリソースを食います。それらをオフにすることは、結果的にパフォーマンスの向上につながります。
照明
PCケースの正面にある、ロゴのライティングを調整できます。ライティングは「常にオン」、「高速点滅」、「低速点滅」、「ブレス」の4種類から選べます。また明るさも調整できます。
まとめ
今回、GTX1660 SUPERをLegion T550iをレビューしました。軽いゲームはもちろん、重量級のゲームもプレー可能なポテンシャルを持っているのが確認できました。
もちろん性能だけでなく、他の点も魅力的です。特徴的な外観をしたPCケースも魅力的です。
特に気に入ったのがLenovo Vantageです。今まで面倒だった設定がこれ一つで完了してしまうからです。
これらの点から、Legion T550iシリーズは非常におすすめできるゲーミングPCだと感じました。