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メモリのオーバークロックに意味はあるのか?DDR5-4800、DDR5-5600、DDR5-6400、DDR5-7200でパフォーマンスを検証

FURY Renegade DDR5 RGB メモリ

パソコンのパフォーマンスを上げる方法として、オーバークロックは割とポピュラーな手法です。特にCPUのオーバークロックは効果が表れやすく、昔から人気が高いです。

一方、メモリのオーバークロックはCPUのオーバークロックに比べると若干影が薄いです。

「CPUのオーバークロックに比べると効果がわかりづらい」、「オーバークロックメモリが必要」、「相性問題がある」など様々な理由によって、メモリのオーバークロックを避けている方は多いのではないでしょうか?

そこで今回はオーバークロックメモリのKingstonの「 FURY Renegade DDR5 RGB メモリ」を使用して、パソコンのパフォーマンスに変化があるのか検証していきます。

目次

検証環境について

テスト環境
CPUインテル 「Core i5-14600KF
CPUクーラーThermalright「Peerless Assassin 120 SE ARGB
CPUグリスARCTIC 「MX-4
マザーボードGIGABYTE「B760 AORUS ELITE
メモリKingston 「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(型番:KF580C38RSAK2-32)
(DDR5-8000)
グラフィックスカードGAINWARD「GeForce RTX 4070 Ghost
SSDKingston「NV2 SSD 2TB
電源ユニットCorsair「RM750e
PCケースXPG「VALOR AIR
OSWindows 11 Home 64bit版

今回の検証環境です。

CPUはインテル第14世代の「Core i5-14600KF」、GPUはNVIDIAの「RTX 4070」を使用します。

メモリは最大8000MT/秒(DDR5-8000)の高速OCメモリ、Kingston 「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(型番:KF580C38RSAK2-32)」を使用します。高いメモリクロック耐性が期待できるSK hynix製のメモリチップが搭載されています。

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マザーボードはGIGABYTEの「B760 AORUS ELITE」を使用します。DDR5-7600まで対応していますが、ミドルクラスのマザーボードなので、メモリのオーバークロック耐性には正直あまり期待できません。

Kingston FURY Renegade DDR5 RGB メモリのパフォーマンスをチェック

検証方法について

メモリクロックメモリタイミング
DDR5-7200CL38-44-44-105(1.45V)
DDR5-6400CL32-40-40-84(1.40V)
DDR5-5600CL40-40-40-80(1.25V)
DDR5-4800CL40-39-39-77(1.100V)

「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ」には、DDR5-8000、DDR5-7600、DDR5-7200のXMPプロファイルがありますが、残念ながら筆者の環境ではDDR5-8000、DDR5-7600ではパソコンが不安定だったので、DDR5-7200に妥協しています。

XMPプロファイル
GIGABYTEのプロファイル

DDR5-4800はJEDEC準拠規格、DDR5-5600とDDR5-6400はGIGABYTEのプロファイルを使用しています。

一般的なベンチマーク

ベンチマークテスト:AIDA64

多機能ベンチマークツール「AIDA64」でメモリ帯域とレイテンシを計測します。

メモリクロックが上がるにつれて、メモリの帯域幅が向上しています。特にメモリリードにおいては、DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の帯域幅は約37.7%も向上しています。

「メモリレイテンシ」もメモリクロックが上がるにつれて、レイテンシが短縮されています。DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200のレイテンシは約27.4%も短縮されています。

ベンチマークテスト:Sandra 20/21

多機能ベンチマークツール「Sandra 20/21」でもメモリ帯域とレイテンシを計測します。

メモリクロックが上がるにつれて、メモリの帯域幅が向上しています。特に総合的なメモリパフォーマンスにおいては、DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の帯域幅は約30.3%も向上しています。

「メモリレイテンシ」もメモリクロックが上がるにつれて、レイテンシが短縮されています。DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200のレイテンシは約27.1%も短縮されています。

ベンチマークテスト:CINEBENCH

CPU性能を計測するレンダリングベンチマーク、CINEBENCHです。「R15」、「R20」、「R23」、「2024」の4種類のベンチマークで計測します。

一つのコアのみを計測するシングルコアテストではほとんど差がついていません。

マルチコアテストではメモリクロックが上がるにつれて若干ですがスコアが向上しています。といっても、CINEBENCH 2024においては、DDR5-4800を基準とすると、DDR5-6400のスコアはわずか約3.9%向上しているだけです。

ただ、なぜかDDR5-7200になるとスコアが低下する現象が発生しています。シネベンチではスコアのブレがしょっちゅう起こるので誤差の範囲内と考えています。

ベンチマークテスト:V-Ray 5.0.2 Benchmark

「V-Ray 5」ベースのレンダリングベンチマーク「V-Ray 5.0.2 Benchmark」です。

メモリクロックが上がるにつれて、vsamplesが向上しています。DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200のvsamplesは約5.6%向上しています。

ベンチマークテスト:Blender Benchmark 3.6.0

3DCGソフトの「Blender」ベースのレンダリングベンチマーク「Blender Benchmark 3.6.0」です。

メモリクロックが上がるにつれて、vsamplesが向上していますが、ほとんど差がついていません。

特にmonsterにおいては、DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200のvsamplesはわずか約2.4%向上してるだけです。

ベンチマークテスト:7-Zip

圧縮・解凍ソフト「7-Zip」の内蔵ベンチマークです。

メモリクロックが上がるにつれて、GIPSが向上しています。

特に圧縮においては、DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200のGIPSは約15%も向上しています。

ベンチマークテスト:PCMark 10 Extended

総合ベンチマーク「PCMark 10 Extended」の結果です。

ProductivityやDigital Content Creationなど細かな項目を見ると差がついていますが、総合スコアを見るとほとんど差がついていません。

DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の総合スコアはわずか約3%向上してるだけです。

ベンチマークテスト:Super PI

円周率計算ベンチマークの「Super PI」です。プリセットは32Mに設定しています。

メモリクロックが上がるにつれて、処理時間が短縮されています。DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の処理時間は約12秒も短縮されています。

ベンチマークテスト:x264 FHD Benchmark

 動画エンコード性能を測定する「x264 FHD Benchmark」です。

ほとんど差がついていません。DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200のfpsはわずか約1.1%向上しているだけです。

ベンチマークテスト:AviUtl

フリーの動画編集ソフト「AviUtl」を使い、エンコードにかかった時間を計測します。動画ファイルは2GBの容量です。

メモリクロックが上がるにつれて、処理時間が短縮されています。

DDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の処理時間は「x264」形式で約10秒、「x265」形式で約11秒短縮されています。

ゲームベンチマーク

ベンチマークテスト:3DMark

3Dグラフィックスの定番ベンチマーク「3DMark」です。

プリセットは「Fire Strike」、「Fire Strike Extreme」、「Fire Strike Ultra」、「Time Spy」、「Time Spy Extreme」、「Speed Way」の6つのテストを使用します。

メモリクロックが上がるにつれて若干ですがスコアが向上しています。といっても、ほとんど誤差の範囲内です。

例えば、TimeSpyにおいては、DDR5-4800を基準とすると、DDR5-6400のスコアはわずか約1.4%向上しているだけです。

ベンチマークテスト:ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」のベンチマークです。グラフィックス設定は「最⾼品質」で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測しています。

メモリクロックが向上するにつれて、平均FPS、最低FPSが向上しています。

特にフルHDにおいてはDDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の平均FPSは約13、最低FPSは約14向上しています。

ベンチマークテスト:BLUE PROTOCOL

「BLUE PROTOCOL」のベンチマークです。グラフィックス設定は「最⾼画質」で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測しています。

メモリクロックが向上するにつれて、平均FPS、最低FPSが向上しています。

特にフルHDにおいてはDDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の平均FPSは約10、最低FPSは約24向上しています。

DDR5-6400とDDR5-7200でほとんど差がありませんでした。

ベンチマークテスト:Rainbow Six Siege

「Rainbow Six Siege」のベンチマークの結果を確認します。グラフィックス品質は「最高」で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測します。

メモリクロックが向上するにつれて、平均FPS、最低FPSが向上しています。

特にフルHDにおいてはDDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の平均FPSは約9、最低FPSは約9向上しています。

ベンチマークテスト:Assassin’s Creed Mirage

「Assassin’s Creed Mirage」のベンチマークの結果を確認します。グラフィックス品質は「最高」で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測します。

メモリクロックが向上するにつれて、平均FPS、最低FPSが向上していますがほとんど差がついていないといっていいです。

特にフルHDにおいてはDDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の平均FPSは約3、最低FPSは約6向上しています。

DDR5-6400とDDR5-7200でほとんど差がありませんでした。

ベンチマークテスト:Forza Horizon 5

「Forza Horizon 5」のベンチマークの結果を確認します。グラフィックス品質は「エクストリーム」で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測します。

メモリクロックが上昇するにつれて、1%LOWが向上していますが、平均FPSとしてみると全く差がついていません。

ベンチマークテスト:Watch Dogs Legion

「Watch Dogs Legion」のベンチマークの結果を確認します。グラフィックス品質は「最大」で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測します。

メモリクロックが向上するにつれて、平均FPS、最低FPSが向上していますがほとんど差がついていないといっていいです。

特にフルHDにおいてはDDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の平均FPSは約3、最低FPSは約3向上しています。

DDR5-6400とDDR5-7200でほとんど差がありませんでした。

ベンチマークテスト:Overwatch 2

「Overwatch 2」のベンチマークの結果を確認します。グラフィックス品質は「エピック」で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測します。

「Overwatch 2」にはベンチマークモードがないので、有志が作成したベンチマークを使用します。ベンチマークでは5vs5のbot戦がおこなわれ、60秒間フレームレートを計測します。毎回同じ状況を再現できないので、若干のブレが発生します。

なぜかDDR5-5600だけ突出して、平均FPS、最低FPSが一番高かったという結果でした。なんどテストを繰り返しても、似たような結果だったので、「Overwatch 2」にはDDR5-5600が一番相性が良いのかもしれません。

ベンチマークテスト:Cyber Punk 2077

「Cyber Punk 2077」のベンチマークの結果を確認します。グラフィックス品質は「ウルトラ」で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測します。

メモリクロックが上昇するにつれて、平均FPSが向上していますが、ほとんど差がついていないといっていいです。

特にフルHDにおいてはDDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の平均FPSはわずか約1向上しているだけです。

ベンチマークテスト:Call of Duty: Modern Warfare III

「Call of Duty: Modern Warfare III」のベンチマークの結果を確認します。グラフィックス品質は「極限」で、解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測します。

メモリクロックが上昇するにつれて、平均FPS、最低FPSが向上しています。

特にフルHDにおいてはDDR5-5600を基準とすると、DDR5-7200の平均FPSは3、1%LOWは約14向上しています。

ベンチマークテスト:Armored Core VI: Fires of Rubicon

グラフィック設定は「最高」に設定し、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類の解像度をそれぞれ選択し、ミッション開始してから60秒間計測します。

アーマードコア6にはベンチマークモードがないので、今回はミッションの「武装採掘艦護衛」を利用します。

「武装採掘艦護衛」では常に砂嵐が発生し、負荷は重いです。また、このミッションは敵の数が少なく、同じような状況を再現しやすいです。

メモリクロックが上昇するにつれて、1%LOWが向上していますが、平均FPSではほとんど差がついていないといっていいです。

特にフルHDにおいてはDDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の平均FPSは1、1%LOWは約9向上しています。

平均FPSで比較

メモリクロックごとの全10タイトルのゲームの平均FPSです。

フルHDにおいてはDDR5-4800を基準とすると、DDR5-7200の平均FPSは約4.7向上しています。ただ、WQHD、4Kではほとんど差がついていないといっていいです。

高解像度のゲームではオーバークロックメモリの効果は表れにくいです。

まとめ

オーバークロックメモリは円周率計算や動画エンコードなど、メモリの動作クロックが影響するアプリではパフォーマンスの向上をより実感しやすいです。

また、ゲームもタイトルによっては、平均FPSは向上します。特にゲームではメモリクロックが上昇するにつれて最低FPSが向上しやすいので、より安定してゲームをプレーすることも可能です。

CPUやビデオカードを交換した方がゲームパフォーマンスの向上につながりやすいのは事実ですが、最後の一押しとして、オーバークロックメモリを使用してゲームパフォーマンスを上げるのも悪くない選択肢です。

ただ、高クロックメモリを動かせるかどうかはCPUやマザーボードといったその他の要因も関係します。メモリ自身の相性問題も存在しますので、確実にオーバークロックできるかどうかはまた別問題です。

現に今回検証で使用したマザーボード、GIGABYTE「B760 AORUS ELITE」ではDDR5-7600、DDR5-8000では安定的に動作が難しかったです。少し負荷をかけるだけでブルースクリーンが連発します。

メモリ、CPU(メモリコントローラー)、マザーボードの3要素がうまくかみ合わないとDDR5-8000のようなオーバークロックメモリを動かすのは難しいのでその点は注意です。

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