ゲーミングPCの購入を考えている方にとって、まず最初の障害になるのパソコン特有の「わかりにくさ」です。
初心者の方はパソコンに関する知識が疎いので、パソコンの専門用語、各パーツの役割など、分からないことだらけになるといった問題に直面しやすいです。
パソコンに関する知識がないまま、ゲーミングPCを選ぶと、失敗するリスクも上がる可能性があります。
そこで今回はゲーミングPC選びにおいて、最低限抑えておくべきパソコンの知識と、ゲーミングPCの選び方についてわかりやすく解説したいと思います。
目次
ゲーミングPCとは?
そもそも「ゲーミングPC」とはどういったパソコンのことをいうのでしょうか?
一応、その名の通り、「ゲームをするためのパソコン」と言えなくもないですが、実ははっきりとした定義はありません。
ゲーミングPCでも普通のパソコンと同じく、一般的な事務作業、クリエイティブな作業もこなせるからです。
あまり深く考えず、とりあえず、「ゲーミングPC=性能が高いPC」と理解してもらって結構です。
最低限理解しておきたい各PCパーツの役割
ゲーミングPCは各PCパーツが組み合わさって構成されます。ここでは最低限抑えておくべき、各PCパーツの役割について、わかりやすく解説します。
CPU
CPUとはCentral Processing Unit(セントラル・プロセッシング・ユニット)の略称で、PC上の数値計算、情報処理などを行うパーツです。
PC上のほぼすべての処理を一手に引き受けるパーツでもあるため、CPUの処理能力が高いほど、性能が高いPCと言い換えることもできます。
もちろん、ゲーミングパソコンにおいて、CPUも重要なパーツです。ビデオカードの性能を活かすために必要だからです。
いくら性能のいいビデオカードを使っていたとしても、CPUの性能が低いと、ビデオカードの性能が引き出せないからです。
インテル | AMD | |
超ハイエンド | Core i9 | Ryzen 9 |
ハイエンド | Core i7 | Ryzen 7 |
ミドルレンジ | Core i5 | Ryzen 5 |
ローエンド | Core i3 | Ryzen 3 |
CPUを供給しているのは実質、「インテル」と「AMD」の2社です。この2社ともにローエンドから超ハイエンドまで幅広く取り揃えています。
ビデオカード
ビデオカードはパソコンの映像をディスプレイに表示するために必要なパーツです。CPUの中には内蔵GPUが搭載されているモデルもありますが、その場合、ビデオカードは必須ではありません。
ただ、ゲームをプレーするには内蔵GPUでは性能不足なので、基本的にビデオカードが必須だと思っていいです。
NVIDIA | AMD(RADEON) | |
ハイエンド | RTX 3090Ti RTX 3090 RTX 3080 |
RX 6900 XT RX 6800 XT RX 6800 |
ミドルクラス | RTX 3070Ti RTX 3070 RTX 3060Ti RTX 3060 |
RX 6700 XT RX 6600 XT RX 6600 |
エントリー | RTX 3050 GTX 1660 TI GTX 1660 SUPER GTX 1660 GTX 1650 SUPER GTX 1650 GT 1030 GT 730 |
RX 6500 XT RX 6400 RX560 RX550 |
ビデオカードを供給しているのは実質、「NVIDIA(GeForce)」と「AMD(RADEON)」の2社になります。この2社ともにエントリーからハイエンドまで幅広く取り揃えています。
マザーボード
マザーボードは、CPU、ビデオカード、メモリ、内蔵ストレージなど、パソコンを構成するすべてのパーツを接続する母艦となるパーツです。
マザーボードは種類が多く、それぞれメモリ、ストレージの搭載量やVRMヒートシンクの有無などが異なります。そのため、スペック表を見るのは重要になります。
特に重要なのが、マザーボードに搭載されているチップセットです。チップセットとは、パーツ間のデータのやり取りを処理するためのパーツです。
インテル | AMD | |
ハイエンド | Z690 | X570 |
ミドルクラス | H670 B660 |
B550 |
エントリー | B610 | A520 |
このチップセットも、CPUと同じくインテルとAMDの2社に分かれます。
基本的に上位モデルのチップセットを搭載しているマザーボードほど、ストレージの拡張性が高くなったり、OCに対応といった機能性が増えます。
メモリ
メモリはCPUが処理する際、データを一時的に保存するパーツです。言い換えると、CPUの作業場所となるパーツといえます。
メモリ容量が不足すると、いくら良いCPUやビデオカードを搭載しても、それらの能力がフルに発揮されません。
一般的な用途であれば、8GBで事足りますが、ゲーム用途では最低でも16GB以上は欲しいです。
基本的に1枚組のシングルチャネル、2枚組のデュアルチャネルという2種類の組み合わせが存在します。そして、シングルチャネルよりデュアルチャネルのほうがパフォーマンスが出るという特徴があります。
例えば、16GB×1(シングルチャネル)より、8GB×2(デュアルチャネル)のほうがパフォーマンスが出ます。
また、メモリにはいくつか規格があり、現在の主流は「DDR4」です。
メモリチップの規格 | 動作クロック |
DDR4-2133 | 2133 MHz |
DDR4-2400 | 2400 Mhz |
DDR4-2666 | 2666 Mhz |
DDR4-2800 | 2800 Mhz |
DDR4-2933 | 2933 Mhz |
DDR4-3000 | 3000 Mhz |
DDR4-3200 | 3200 Mhz |
動作クロックが高いほど、高速になるので、パフォーマンスが出ます。DDR4のあとに続く数字が動作クロックを表しているので、その数値で性能を判断します。
ストレージ
ストレージはパソコンのシステムやゲームデータを保存するための入れ物です。ストレージの種類はいくつかあり、大雑把に分けると、「SSD」と「HDD」に分かれます。
「SSD」はUSBメモリーと同じく、内蔵しているメモリーチップにデータの読み書きをします。一方、「HDD」は回転する円盤に磁気でデータの読み書きをします。
それぞれの特徴を簡単に表すと、「SSDは高速だが価格が高い」、「HDDは低速だが価格が安い」です。それぞれ一長一短がありますが、SSDの価格低下により、現在の主流はSSDに移りつつあります。
また、SSDには「2.5インチSSD」と「M.2 SSD」の2種類があります。
「2.5インチSSD」はHDDと同じくSATAで接続するタイプです。転送速度はHDDよりは速いですが、M.2 SSDには劣ります。
一方、「M.2 SSD」はM.2スロットに接続するタイプです。PCI Expressを通じて「NVMe」という規格で接続するもので、転送速度は「2.5インチSSD」を遥かに上回ります。
ストレージの種類だけでなく、もう一つ重要な要素があります。それは、ストレージ容量です。
Windows 11のOSだけでも64GB以上のストレージを使用します。さらに昨今、ゲームの容量もかなり大きくなっています。例えば、重量級ゲームのサイバーパンク2077は70GBも使用します。
自分がPCを使うと想定した場合、どれくらいの容量のストレージが必要になるのか、あらかじめ調べる必要があります。
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電源ユニット
電源ユニットは家庭のコンセントから供給される交流100Vを、パソコンのパーツが必要とする、直流の5V、12Vといった電圧に変換して出力するパーツです。
CPUやビデオカードなどの各パーツの消費電力を合計した、総消費電力に見合った容量の電源を選ぶ必要があります。
ただ、各BTOメーカーのパソコンの購入画面でカスタマイズを行う際、電源容量が足らないといった事態に陥ると、自動的に警告が出る仕組みになっています。
自作パソコンではBTOパソコンを買う際はそこまで気にする必要はないです。
ただ、あとでビデオカードをより上位のモデルに交換する予定であれば、前もって、電源容量多めのモデルを購入するのも悪くない選択肢だと思います。
ゲーミングPCの選び方
価格
ゲーミングPCを選ぶうえである意味一番重要となる要素が価格です。ゲーミングPCにいくらくらいまでの予算が出せるのか、あらかじめ決めておけば、候補はある程度絞りこめるはずです。
基本的に10万円、15万円、20万円と段階を踏んで、予算の制限を設けることをおすすめします。
スペック
スペックも重要な要素です。ゲーミングPCの性能は低スペックなものから高スペックなものまで幅広いです。そのため、スペックをあまり意識せず、ゲーミングPCを購入してしまうと失敗する確率が上がります。
おすすめは自分のやりたいゲームの推奨スペックを調べることです。
例えば、このゲームの場合、ビデオカードはRX6600 XTかRTX3060、CPUはRyzen 7 2700Xかcore i7 4790が推奨スペックです。
このゲームを快適にプレーしたいのなら、少なくともこのゲームの推奨スペックを満たすようなゲーミングPCを選べば、失敗するリスクを減らせます。
BTOパソコンメーカー
ゲーミングPCは基本的にBTOパソコンメーカーから購入します。ただ、このBTOパソコンメーカーは大手から中小まで含めると、かなりの数になり、初心者の方は迷いがちです。
おすすめは、大手のBTOパソコンメーカーから選ぶことです。大手のBTOパソコンメーカーは数が限られますし、さらに商品数も多く、サポートも手厚いです。
まずは無難に大手のBTOパソコンメーカーからゲーミングPCを探すことをおすすめします。
以下に代表的な大手BTOパソコンメーカーを紹介します。
BTOメーカー名 | 特徴 |
TSUKUMO |
TSUKUMOはヤマダ電機グループのパソコンパーツショップです。 BTOパソコンも展開しています。全体的に低価格なのが特徴です。 |
パソコン工房 |
パソコン工房はMCJグループのパソコンパーツショップです。 BTOパソコンも展開しています。商品数も多く、全体的に低価格なのが特徴です。 |
FRONTIERはヤマダ電機グループのBTOパソコンメーカーです。 期間限定のセールを利用すると驚くほど安くBTOパソコンを購入できます。 |
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ドスパラ | ドスパラは全国規模に展開しているパソコンパーツショップです。 全体的に低価格なのが特徴です。 |
マウスコンピューター | マウスコンピューターはMCJグループのBTOパソコンパーツショップです。 マツコデラックスを起用するなど、奇抜なCMで有名です。全体的に低価格なのが特徴です。 |
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まとめ
ゲーミングPCの選び方、そして最低限抑えておくべき知識について解説しました。今回の記事で解説しことを最低限、身につけておけば、少なくともゲーミングPC選びで失敗するリスクは減らせると思います。
ゲーミングPCは高い買い物なので、自分が納得いくまで選ぶことをおすすめします。