カプコンと並んで格闘ゲームメーカーのパイオニアと知られるSNK。残念ながら一度は倒産しましたが、最新は新生SNKとしてよみがえり、徐々に復活を遂げつつあります。
そんな新生SNKから2018年7月に発売された家庭用ゲーム機、ネオジオミニ(NEOGEO mini)。SNKの伝説的家庭用ゲーム機および業務用ゲーム機、ネオジオのミニ版です。
発売されてかなり時間がたちますが、今さらながら購入したのでレビューしたいと思います。

ネオジオミニとは
ネオジオミニを説明する前に、まずはネオジオについて簡単に説明します。ネオジオとはSNKが販売した家庭用ゲーム機、および、業務用ゲーム機のプラットフォームのことです。
ROMの容量が100メガ超えという、当時としては破格の容量があったため、「100メガショック」というキャッチコピーがついていました。
ネオジオミニはこのネオジオに収録されていたタイトルを一部収録した、家庭用ゲーム機です。
オリジナルのネオジオ本体は巨大でしたが、このネオジオミニはその名の通り、ミニサイズになっています。
ネオジオミニの仕様
収録タイトル | 40タイトル |
液晶サイズ | 3.5インチ |
外形寸法 / 質量 | W108mm×D135mm×H162mm / 390g |
付属品 | 電源ケーブル(Type-C)※ACアダプターは含みません |
接続端子 | HDMI端子(TV出力用)、ヘッドホン端子、外部コントローラー端子×2 |
通常版とインターナショナル版の違いについて
ネオジオミニについてのレビューを始めるまえに、まずネオジオミニのバージョンについても軽く触れます。
ネオジオミニは通常版(いわゆる国内版)に加えて、インターナショナル版、クリスマス限定版、サムライスピリッツ版、サムライスピリッツ特別限定セットがあります。
ただ、クリスマス限定版、サムライスピリッツ版、サムライスピリッツ特別限定セットは期間限定で数も限られているので、現在購入するのは難しくなっています。
現在購入できるのは通常版、インターナショナル版の2つだと思っていいです。
それでは通常版、インターナショナル版の違いはなんでしょうか?それは収録タイトルの違いです。
通常版、インターナショナル版、両方に収録されるタイトル
THE KING OF FIGHTERS ’95 |
THE KING OF FIGHTERS ’97 |
THE KING OF FIGHTERS ’98 |
THE KING OF FIGHTERS 2000 |
THE KING OF FIGHTERS 2002 |
真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変 |
サムライスピリッツ 天草降臨 |
サムライスピリッツ 零SPECIAL |
餓狼伝説SPECIAL |
リアルバウト餓狼伝説 |
餓狼 MARK OF THE WOLVES |
ワールドヒーローズパーフェクト |
風雲スーパータッグバトル |
龍虎の拳 |
幕末浪漫第二幕 月華の剣士 ~月に咲く華、散りゆく花~ |
NINJA MASTER’S ~覇王忍法帖~ |
メタルスラッグ |
メタルスラッグ 2 |
メタルスラッグ 3 |
キング・オブ・ザ・モンスターズ 2 |
戦国伝承2001 |
ショックトルーパーズ セカンドスカッド |
ブレイジングスター |
トッププレイヤーズゴルフ |
得点王 |
ジョイジョイキッド |
通常版にのみ、収録されるタイトル
THE KING OF FIGHTERS ’94 |
THE KING OF FIGHTERS ’96 |
THE KING OF FIGHTERS ’99 |
THE KING OF FIGHTERS 2001 |
THE KING OF FIGHTERS 2003 |
リアルバウト餓狼伝説2 THE NEWCOMERS |
幕末浪漫 月華の剣士 |
痛快GANGAN行進曲 |
トップハンター ~ロディー&キャシー~ |
ニンジャコマンドー |
バーニングファイト |
サイバーリップ |
ASO II -ラストガーディアン- |
ティンクルスタースプライツ |
インターナショナル版にのみ、収録されるタイトル
メタルスラッグ X |
メタルスラッグ 4 |
メタルスラッグ 5 |
キング・オブ・ザ・モンスターズ |
ショックトルーパーズ |
マジシャンロード |
ラギ |
ロボアーミー |
クロスソード |
ミューテイション・ネイション |
ファイヤースープレックス |
ラストリゾート |
ゴーストパイロット |
フットボールフレンジー |
格闘ゲームなら通常版、アクションゲームならインターナショナル版
通常版は格闘ゲーム(特にKOF)が多めですが、インターナショナル版はアクションゲーム(特にメタルスラッグ)が多めです。
KOFシリーズを多くやりたいのなら通常版を、メタルスラッグシリーズを多くやりたいのならインターナショナル版を選べばいいと思います。
なお、収録タイトル以外にも筐体のデザインも異なっています。
外観チェック
ネオジオミニの正面です。筐体が赤、白、黒、青の成形色で構成されているので、結構目立つデザインです。
サイドにはコントローラー端子があります。コントローラーを使う場合はここに接続します。
電源、入出力端子は背面に配置されています。左から電源スイッチ、ミニHDMI出力端子、イヤホンジャック、電源端子です。
モニター上に付属のシールを貼れば、本物のネオジオアーケード筐体みたいに再現できます。
レバーです。動かしても感触がほとんど感じれないタイプです。例えるなら、PS3、PS4のアナログスティックと感触が似ています。
ボタンです。Aボタン、Bボタン、Cボタン、Dボタンの4種類あります。
実際にゲームをプレーしてみた
ネオジオミニを遊ぶのにまず必要になるのが、市販のACアダプターです。5V/1.0A以上に対応している製品であれば、どの製品を使っても問題ないと思います。
電源を入れると、まず表示されるのがメニュー表示です。ここから遊びたいゲームを選びます。
KOF94を選択してプレーしてみました。モニター自体は小さいですが、綺麗に表示されています。
ゲーム中、スタートボタン、セレクトボタン同時押しで設定画面に入れます。画面の明るさや音量を調整できます。また、ここからセーブとロードが出来ます。
外部出力について
ネオジオミニは単体でも遊べますが、モニターに外部出力して遊ぶことが出来ます。その際は本体裏にHDMIケーブルをつなぎます。
ちなみにHDMIケーブルは付属していないので、自分で用意する必要があります。
純正のミニHDMIケーブルを購入してもいいのですが、正直言うと値段は高いのであまりおススメできません。
自分はミニHDMI変換アダプタを購入し、すでに持っているHDMIケーブルを活用しました。その方が安上がりです。
外部出力すると、設定項目が増えます。グラフィック切り替えと、画面の設定が可能になります。
グラフィックをオンにするとフィルターがかかります。オフのときと比べて、ドットの粗さが多少緩和される印象です。
外部出力した際の画面設定について
外部出力の画面設定については、少々ややこしいことになっていますので、簡単に説明したいと思います。設定画面に入ると、4つのアイコンが表示されます。
上部のアイコンについて
左上のアイコンは、16:9の比率で表示されるという意味です。現在のPCモニタの主流となっている比率です。
画面いっぱい表示されますが、その分、全体的に引き伸ばされます。下の比較画像を見てみると、16;9のほうがキャラクターの幅が広くなっているのが分かると思います。
右上のアイコンは、4:3の比率で表示されるという意味です。昔のブラウン管モニタの主流となっている比率です。
画面が引き延ばされたくないのなら、4:3を選びます。ただし、両端に黒帯が入ってしまいます。
下部のアイコンについて
一方、左下のアイコン、右下のアイコンの説明は非常にややこしいです。というのも、16:9と4:3を選んだ時で、それぞれ意味合いが異なってしまうからです。
オーバースキャン用の設定、アンダースキャン用の設定(16:9を選んだ場合)
16:9を選んだ場合、左下のアイコンはオーバースキャン用の設定に、右下のアイコンはアンダースキャン用の設定になります。
テレビモニターは基本的に画面が勝手に拡大されるというオーバースキャンという設定になっています。
オーバースキャンにするかどうかは、テレビモニターによっては設定は可能です。設定項目がなければ、基本的にオーバースキャンになっていると思っていいと思います。
もしテレビモニタの設定がオーバースキャンのままだと、ネオジオミニと接続した場合、一部画面が見切れてしまいます。
画面が拡大され、一部見えなくなっています。
ネオジオミニ側でオーバースキャン用の設定をONにしたら、画面が見切れなくなりました。
一方、PCモニターやアンダースキャン用の設定済みのテレビモニターの場合、ネオジオミニ側の設定でオーバースキャン用の設定のままだと、ゲーム画面の周りに黒帯がはいってしまいます。
これを防ぐために、ネオジオミニ側ではアンダースキャン用の設定をします。すると、画面がモニターいっぱいにきちんと表示されます。
ピクセルアスペクト比、フレームアスペクト比の設定(4:3を選んだ場合)
4:3を選んだ場合、左下のアイコンはピクセルアスペクト比を維持に、右下のアイコンはフレームアスペクト比を維持になります。
細かな解説は省きますが、要するに縦方向に伸ばすかどうかという意味だととらえてください。
ピクセルアスペクト比の維持を選択すると上下に黒帯が入り、縦方向にわずかに圧縮されます。
一方、フレームアスペクト比の維持を選択すると、上下の黒帯がなくなり、縦方向にわずかに引き延ばされます。
正直、ピクセルアスペクト比、フレームアスペクト比は違いはあまりないので、気にする必要はないと思います。
結局どういう設定がベストなのか?
迫力の面では画面比率、16:9がベストなのですが、それをやるとどうしても画面全体が引き延ばされて不自然に見えます。
特に格闘ゲームの場合、キャラクターが大きく表示されるので、すごい気になると思います。
左右に黒帯が入ってしまいますが、画面比率、4:3がベストだと思います。
一方、ピクセルアスペクト比の維持、フレームアスペクト比の維持ですが、ぶっちゃけどっちを選んでもそんなには変わりません。
自分の場合、上下の黒帯が気になるので、フレームアスペクト比の維持を選択しています。つまり、右上、右下にチェックというわけですね。
下記にそれぞれ設定した画面を掲載します。
16:9、オーバースキャン
16:9、アンダースキャン
4:3、ピクセルアスペクト比を維持
4:3、フレームアスペクト比を維持
良かったところ
格闘ゲームを中心に当時のSNKゲームを楽しめる
当時、ネオジオのソフトと言えば、1本あたり約3万円位するものもあり、とてもじゃないですが手が出せなかった記憶があります。
このネオジオミニはネオジオのゲームが40本収録されているので、それを考えるとお得に感じます。
価格が安くなっている
ネオジオミニの価格は発売当初から時間が経っていることもあり、価格がかなり安くなっています。大体、6000円~7000円位まで価格が落ちているので、今がまさに買い時だと思います。
悪かったところ
操作性が劣悪
ネオジオミニのレバーの操作性は最悪と言っていいからもしれません。いわゆるアナログスティックなので、カチカチとした感触がないです。
そのため、格闘ゲームの複雑なコマンドが入れづらいです。
アクションゲームであれば、なんとかなりますが、このネオジオミニは格闘ゲームが多く収録されているので、レバーの操作性の悪さは死活問題です。
一応、専用のコントローラーもあるのですが、こちらの方も残念ながらアナログ方式なので、筐体についているレバーと同じく、操作性が悪いです。
ただ、アクションゲームとの親和性は高いので、アクションゲームを多くやるのであれば、こちらのコントローラーの購入もありだと思います。
専用ジョイスティックとしては、NEOGEO Arcade Stick Proがあります。これ単体でもゲームが遊べまるという変わったジョイスティックです。
自分がもっているアケコンのQanba Droneで操作したかったので、コントローラーアダプタのMAGIC-NSを購入しました。詳細は下記記事へどうぞ。↓
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外部出力する際、画面がぼやける
外部出力しても、基本的にドットバイドットでは表示されません。画面設定で色々設定はできますが、何を選んだとしても結局は画面がぼやけます。
説明が不親切
全体的に設定項目がわかりづらいです。公式ページにいっても説明がないので、分からないことがあっても、ネットで自分で調べるしかないです。
まとめ
このネオジオミニ、格闘ゲームが多いのに、操作性が悪いという致命的な問題はあります。ただ、今現在、かなり価格が安くなっているので、コレクターアイテムとして入手しておくのもありだと思います。
そのうち在庫が切れるのも時間の問題です。そうなると価格が上がってくると思います。今購入するのがベストなタイミングかもしれません。