2019年4月、NVIDIAのGPUのGTX 1650を搭載したビデオカードの販売が開始されました。
GTX 1650の立ち位置は、GTX 16シリーズの下位モデルという位置づけです。発売日してから期間が経過しましたが、未だにエントリークラスのビデオカードとして確固たる地位を築いています。
今回の記事ではGTX 1650の特徴、ゲーム性能を解説し、最後におすすめのゲーミングPCを紹介します。
GTX 1650とは
GTX 1660 SUPER | GTX 1650 | |
---|---|---|
CUDAコア数 | 1,408 | 896 |
ベース/ブーストクロック | 1,530MHz / 1,785MHz | 1485MHz / 1665MHz |
標準メモリ構成 | GDDR6 6GB (192bit) | GDDR6 4GB (128bit) |
レイトレーシングコア(RTコア) | – | – |
Tensorコア | – | – |
NVIDIAアーキテクチャー | Turing | Turing |
NVIDIA DLSS | – | – |
NVIDIA Encoder(NVENC) | 第6世代×1 | 第6世代×1 |
AV1エンコード/デコード | ×/× | ×/× |
グラフィックスカード電力(W) | 125 | 75 |
システム電力要件(W) | 450 | 300 |
必須の電源 | 8ピン×1 | なし |
参考価格 ※2024年4月現在 | 約43,000円 | 約21,000円 |
GTX 16シリーズの下位に位置するモデルということで、スペックは控えめです。特にCUDAコア数は1,000以下となっています。また、VRAM容量は4GBと必要最低限といった感じです。
その分、グラフィックスカード電力(W)は75Wと控えめで、省電力性は高いです。
GTX 1650のゲーム性能について
GTX 1650のゲーム性能を他のGPUと比較します。なお、ゲームのグラフィック設定は最高設定に統一しています。
検証環境を見るにはここをクリック
検証環境
検証環境 | |
---|---|
CPU | インテル 「Core i5-14600KF」 |
CPUグリス | ARCTIC 「MX-4」 |
ビデオカード | ZOTAC 「GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6」 |
マザーボード | GIGABYTE「B760 AORUS ELITE」 |
メモリ | Kingston 「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(型番:KF580C38RSAK2-32)」(16GB×2) (DDR5-4800に設定) |
SSD | Kingston「NV2 SSD 2TB」 Western Digital「WD_BLACK SN770 NVMe 1TB」 Western Digital「WD Blue SN580 NVMe SSD 1TB」 |
電源ユニット | Corsair「RM750e」 |
PCケース | XPG「VALOR AIR JP2」 |
OS | Windows 11 Home 64bit版 |
軽量級ゲーム
軽量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均63fps、WQHD解像度では37fps、4K解像度では15fpsでした。
検証に使用した軽量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのGTX 1650の平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
レインボーシックスシージ | 99fps | 50fps | 20fps |
オーバーウォッチ2 | 52fps | 36fps | 13fps |
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー | 49fps | 30fps | 12fps |
BLUE PROTOCOL | 52fps | 34fps | 14fps |
中量級ゲーム
中量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均18fps、WQHD解像度では12fps、4K解像度では6fpsでした。
検証に使用した中量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのGTX 1650の平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
Forza Horizon 5 | 14fps | 12fps | 9fps |
アサシンクリードミラージュ | 16fps | 16fps | 7fps |
Call of Duty: Modern Warfare III | 23fps | 8fps | 3fps |
重量級ゲーム
重量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均19fps、WQHD解像度では13fps、4K解像度では5fpsでした。
検証に使用した重量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのGTX 1650の平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
Watch Dogs: Legion | 17fps | 12fps | 6fps |
アーマードコア6 | 18fps | 13fps | 3fps |
サイバーパンク2077 | 21fps | 13fps | 1fps |
GTX 1650の強みと弱みについて
強み | 弱い |
---|---|
フルHD解像度の軽量級ゲームであれば、平均60fpsでゲームがプレーできる | WQHD、4K解像度でのプレーは厳しい フルHD解像度の中・重量級ゲームのプレーは厳しい VRAM容量が4GBと少ない DLSSには非対応 AV1エンコードに非対応 |
GTX 1650はフルHD解像度の軽量級のゲームであれば、平均60fpsでゲームがプレー可能です。
ただし、VRAM容量が4GBしかないので、VRAM消費量が多いゲームの場合、設定を下げる必要があります。また同様の理由でWQHD、4K解像度のゲームも事実上不可能と思っていいです。
DLSSには非対応ですが、ゲームによってはFSRなどが設定できるので、それを適用したらフレームレートを押し上げることが可能です。
VRAM消費量の多い負荷の重いゲームをやらないという決まりを守れば、GTX 1650でも意外とゲームはプレーできます。
GTX 1650搭載おすすめゲーミングPC
Lightning AH5 Minecraft: Java&Bedrock Edition for PC同梱版
スペック | |
---|---|
CPU | Ryzen 5 4500 |
GPU | GTX 1650 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 500GB M.2 NVMe SSD |
M.2スロット | 1個(空きスロット0) |
マザーボード | A520 (Micro ATX) |
電源 | 450W 80PLUS BRONZE |
価格 | 93,980円+送料0円 |
ドスパラの「Lightning AH5 Minecraft: Java&Bedrock Edition for PC同梱版」はRyzen 5 4500×GTX 1650のゲーミングPCです。
「Ryzen 5 4500」は6コア12スレッドのZEN2世代のCPUで、高性能というわけではないですが、GTX 1650あたりのビデオカードとの組み合わせであれば、性能不足を感じることはないです。
ただ、CPU性能はそこまで高くないので、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は弱いです。
ストレージは500Bモデルを搭載。ゲームを複数インストールする予定であれば、不安のあるストレージ容量です。できれば、最低でも1TBへの増設をおすすめします。
1TBへの増設は+7,000円で可能です。
マザーボードは特に記載されていませんが、A520チップセット搭載のMicro ATXサイズのマザーボードを採用。
M.2スロットは1基しかないので、M.2 NVMe SSDを増設することはできません。ただし、SATAポートは4基あるので、ストレージ自体の増設は可能です。
メモリは大容量ののDDR4-3200の16GB(8GB×2)を搭載しています。
PCケースは、EM041 ミニタワーケース (MicroATX)を採用。PCケースはコンパクトでありながら、優れた拡張性を実現し、120mmの大型ファンでスムーズな空気の流れを形成します。
ケースの寸法は幅(W):約190mm x 高さ(H):約360mm x 奥行(D):約420mmです。
なお、「マインクラフト」Java版とBedrock版の両エディションが付属します。
メリット | デメリット |
---|---|
コスパは優秀 マインクラフトが付属 | M.2 NVMe SSDの増設はできない 標準のストレージ容量が500GB クリエイティブ性能は弱い |
以上が筆者がおすすめするGTX 1650搭載モデルです。最安モデルは9万円前半からあり、買いやすい価格帯に落ち着いています。特にドスパラのモデルはマインクラフトが付属するため、お得感があります。
まとめ
GTX 1650搭載モデルはBTO各社のモデルをまとめてみると、高コスパモデルと位置付けており、買いやすい価格帯に設定しています。
安いモデルは10万円以下という相場なので、他のGPUを搭載しているモデルに比べると予算が抑えられるため、買いやすいです。
コスパの良いGTX 1650搭載モデルを探しているのなら、予算は10万円ほど用意しておけば問題ないと思います。