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インテル600シリーズのマザボードの選び方を解説! Z690、H670、B660、H610の違い

マザーボード

2022年1月、インテル第12世代CPU、「AlderLake-S」の下位モデルが発売されました。また、それにあわせて、インテル600シリーズの下位チップセットを搭載したマザーボードも発売されました。

これによって、全てのインテル600シリーズのチップセットを搭載したマザーボードは出揃うことになりました。

そこで今回、インテル600シリーズのチップセットである、Z690、H670、B660、H610の違いについて解説し、マザボードの選び方を解説します。

また、各チップセットのおすすめマザーボードについても紹介したいと思います。

モガ
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各チップセットの特徴をある程度理解しておけば、マザーボード選びの失敗のリスクは減らすことができると思います。

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インテル600シリーズマザボードの選び方のポイント

対応CPUについて

対応CPUについてインテル600シリーズのチップセットに対応しているCPUは、今のところ、インテル第12世代Alder lake-Sのみになります。

インテル第12世代Alder lake-Sは、2021年11月に上位モデルを中心に販売されましたが、2022年1月、下位モデルも販売されました。

一部モデルを除きますがこれで主なラインアップはそろうことになりました。

インテル第12世代Alder lake-Sの主なラインナップ
型番コア数
(Pコア+Eコア)
スレッド数L3キャッシュTBM3.0時最大クロック(Pコア/Eコア)定格クロックPコア/Eコア内蔵GPUPBP(Processor Base Power)MTP(Maximum Turbo Power)
core i9-12900K16
(8+8)
2430MB5.2Ghz
(5.1Ghz/3.9Ghz)
3.2Ghz/2.4GhzUHD 770125W241W
core i9-1290016
(8+8)
2430MB5.1Ghz
(5Ghz/3.8Ghz)
2.4Ghz/1.8GhzUHD 77065W202W
core i7-12700K12
(8+4)
2025MB5Ghz
(4.9Ghz/3.8Ghz)
3.6Ghz/2.7GhzUHD 770125W190W
core i7-1270012
(8+4)
2025MB4.9Ghz
(4.8Ghz/3.6Ghz)
2.1Ghz/1.6GhzUHD 77065W180W
core i5-12600K10
(6+4)
1620MB
(4.9Ghz/3.6Ghz)
3.7Ghz/2.8GhzUHD 770125W150W
core i5-126006
(6+0)
1218MB
(4.8Ghz/-)
3.3Ghz/-UHD 77065W117W
core i5-125006
(6+0)
1218MB
(4.6Ghz/-)
3Ghz/-UHD 77065W117W
core i5-124006
(6+0)
1218MB
(4.4Ghz/-)
2.5Ghz/UHD 73065W117W
core i3-123004
(6+0)
812MB
(4.4Ghz/-)
3.5Ghz/-UHD 73060W89W
core i3-121004
(6+0)
812MB
(4.3Ghz/-)
3.3Ghz/-UHD 73060W89W
Pentium Gold G74002
(2+0)
46MB
(-/-)
3.7Ghz/-UHD 71046W
Celeron G69002
(2+0)
24MB
(-/-)
3.4Ghz/-UHD 71046W

上記のモデル以外にも、core i5-12400と、core i3-12100のみ、内蔵GPUがつかないF付きモデルがあります。

インテル第12世代Alder lake-SではEコア、Pコアなど、新要素も多く投入されています。そのため細かく説明すると長くなるので、今回はCPUそのものの解説は割愛させていただきます。

この表で注目なのがMTP(Maximum Turbo Power)です。

MTPはTurbo Boost時に最大で消費される電力量のことです。従来はPL2と呼ばれていましたが、今回はMTPという名前に代わりました。

ただ、PL2はCPUに余力がある場合に限り数秒間だけ維持されるものでしたが、MTPは長時間維持されるという違いはあります

例えば、core i9-12900KをMTPで運用したいとなると、241Wもの消費電力が発生します。

そのため、core i9-12900Kの性能をフルに発揮したいのなら、長時間安定して、電源回路等の放熱がしっかりしているマザーボードが必要になります。

ただ、電力量を絞って運用するのであれば、廉価グレードのマザーボードでも運用は可能です。その代わり、性能は落ちます。

インテル第12世代Alder lake-Sのcore i5-12400のレビューはこちら↓。

驚異のワットパフォーマンス!core i5-12400をレビュー!core i5-11400Fと比較。
Alder Lake-Sの廉価モデル、core i5-12400を購入したのでレビューしたいと思います。前世代のcore i5-11400と徹底比較して、どれくらい性能が向上したのかを検証したいと思います。

DDR4メモリーとDDR5メモリーについて

DDR4メモリーとDDR5メモリーについてインテル600シリーズのチップセットは最新規格であるDDR5メモリーをサポートしています。ただ、2022年1月現在、DDR5のメモリーは価格が高く、また在庫も不安定です。

そのため、マザーボードメーカー各社はDDR5メモリー対応モデルだけでなく、DDR4メモリー対応モデルも併売しています。

DDR4メモリーとDDR5メモリーのスロットは形状が異なるので、互換性はありません。

そのため、DDR4メモリー対応のマザーボードを購入したとしても、後からDDR5メモリーを取り付けることはできないので注意が必要です。

ちなみに現状ではDDR4メモリーとDDR5メモリーで明確な差はない状況です。一部、RAW現像などではDDR5メモリーのほうが明確に速いというデータがあります。

そのため、コスパを考えるとDDR4メモリー対応のマザーボード一択です。

ただ、いつになるかわかりませんがDDR4メモリーからDDR5メモリーが主流になる時代が来ると思います。

それを見越して、初めからDDR5メモリー対応のマザーボードを購入するのも一つの手かと思います。その代わり、コストは高くつくことを覚悟する必要があります。

CPUクーラーについて

CPUクーラーについてインテル第12世代Alder lake-Sのソケット、LGA1700は従来のソケットに比べるとかなり大型化しています。

そのため、CPUクーラー装着のためのマウントの穴の位置が従来のソケットと比べると、外側にずれています。さらにソケット自体の高さも従来のソケットよりも低くなっています。

つまり、それは従来あるCPUクーラーがそのまま使えないことを意味しています。

初めからLGA1700に対応しているCPUクーラーであれば問題ありませんが、もし既存のCPUクーラーを使いたい場合、別途LGA1700用のリテンションキットを使う必要があります。

リテンションキットは、メーカー側が無償提供している場合もありますが、別途購入が必要な場合があります。

ただ、Kつきでない無印のCPUの場合、リテールクーラーが付属します。

ASUSの一部のマザーボードには、LGA1200用のマウント穴が設けられています。つまり、従来あるCPUクーラーをそのまま使用可能です。ただし、他のマザーボードメーカーはマザーボードの耐久性の問題で、LGA1200用のマウント穴を設けていません。

600シリーズチップセット比較表

インテル600シリーズのチップセットは、Z690、H670、H610、B660の4種類から構成されています。それぞれの違いについてまとめたのが下記の表です。

  Z690H670B660H610
ソケットLGA1700
メモリ最大容量128GB128GB128GB64GB
CPUの
オーバークロック対応

(コア倍率、BCLK)
メモリの
オーバークロック対応
CPU側PCIeレーン数
(CPU)
PCIe Gen5レーン数(GPU向け)1×16レーン or 2×8レーン1×16レーン1×16レーン
PCIeGen4レーン数
(NVMe向け)
1×4レーンなし
DMI4.0レーン数8844
PCH側PCIeレーン数
(チップセット)
gen4最大12レーン最大12レーン最大6レーンなし
gen3最大16レーン最大12レーン最大8レーン最大8レーン
USB 3.2 Gen 2×2最大4ポート最大2ポート
USB 3.2 Gen 2最大10ポート最大4ポート最大2ポート
USB 3.2 Gen 1最大10ポート最大8ポート最大6ポート最大4ポート
USB 2.0最大14ポート最大12ポート最大10ポート
SATA 3.0最大8ポート最大4ポート
RAID対応0/1/5/10(PCIe/SATA)0/1/5/10(SATA)
Wi-Fi 6E対応

チップセットのグレードを並べると以下の通りです。

Z690>H670>B660>H610

Z690が一番グレードが高く、逆にH610が一番グレードが低いです。

各チップセットの特徴はのちほど解説しますが、基本的にチップセットのグレードが上位になればなるほど、レーン数やUSBのポート数が増えます。つまり拡張性が高くなります。

各600シリーズチップセットの特徴

H610

600シリーズのチップセットで最もグレードが低いのがH610です。CPUのオーバークロックに非対応ですが、さらに、600シリーズで唯一、メモリのオーバークロックに非対応です。

また、USB 3.2 Gen 2×2に非対応、さらにUSBのポート数も他のチップセットに比べると少ないです。SATA 3.0のポート数も最大4と少ないです。

 H610Z690H670B660
PCIeGen4レーン数
(NVMe向け)
×
PCH側PCIeレーン数
(チップセット)
gen4×
gen3

また、H610はgen4のM.2に非対応です。gen4対応のM.2を使いたい場合、注意が必要です。

全体的に拡張性は不足気味なので、拡張性を求めているのなら、H610はあまりおすすめはできません。

また、全体的に電源回路のフェーズ数も少ないマザーボードも多く、core i9-12900Kを使ったとしても、性能をフルに発揮させるのは厳しそうです。

もしH610のマザーボードを使うのなら、core i3やcore i5(無印)など消費電力がおとなしいCPUにした方が無難です。

このように、H610は他のチップセットに比べると大きな制限をうけますが、その分、全体的に価格は安いです。

とにかく安くPCを組みたいというのであれば、H610はおすすめです。

B660

B660は600シリーズチップセットの中では中位グレードに位置するチップセットです。このチップセットを搭載したマザボードは、コスパに優れているモデルが多いです。

CPUのオーバークロックには非対応ですが、K無しモデルを使うのであれば、そもそも問題にはなりません。

また、たとえ、K付きモデルを使う予定でも、オーバークロックをしないのであれば、Z690ではなく、コスパの高いB660を使うのもありだと思います。

ただ、USB 3.2 Gen 2×2、USB 3.2 Gen 2などの高速な規格に対応したUSBポートの数は少なく、またレーン数もH670より少ないので、拡張性を求めている人から見れば気になるかもしれません。

特にSATA3.0は最大4つのポート数と、かなり少ないです。

RAIDは可能ですが、SATAのみ可能という点は注意が必要です。

B660チップセットを搭載したマザーボードはとにかく価格の幅が広いです。1万円代前半のものもあれば、2万円を超えるものもあります。

当然、価格が安いモデルはフェーズ数は少なく、中にはVRMヒートシンクすらないものもあります。

core i9-12900KなどのMTPが高いCPUを使う際は、高額になりますがフェーズ数が多く、VRMヒートシンクがしっかりしているものを選ぶことをおすすめします。

H670

H670マザーは、B660マザーより上位のチップセットを搭載していることもあって、価格がB660より高い傾向があります。そのため、コスパを考えると少し微妙かと思います。

B660マザーとの最大の差異がレーン数と、USBのポート数です。レーン数、USBのポート数ともに、H670の方が上です。

特に、B660ではできなかった、PCIe gen5レーン数の1×16を2×8に分岐可能なのでマルチGPUを使う際、有利に働きます。

また、RAIDがSATAだけでなく、PCIeでも可能です。

ただ、逆に言えば、それらに魅力を感じなければ、正直B660でも十分かと思います。

マザーボードメーカーもB660マザーボードを多く展開しているのに、逆に、H670マザーボードに関してはあまり熱心に展開していません。

そのため選択肢は他のチップセットを搭載したマザーボードより狭まると思います。

Z690

600シリーズのチップセットの最上位に位置するのがこのZ690です。Z690チップセットと、他のチップセットとの最大の差異が拡張性です。

USBのポート数、レーン数が他のチップセットに比べると、圧倒的に多いです。また、H670と同じく、PCIe gen5レーン数の1×16を2×8に分岐可能です。

拡張性を求めているのなら、Z690一択といっていいでしょう。

また、Z690チップセットを搭載したマザーボードはフェーズ数が多く搭載、VRMヒートシンクも巨大という、電源回路の放熱に力を入れているモデルが多いです。

そういったモデルの場合、MTPが241Wのcore i9-12900Kも安定的に動かすことができます。ただ、その分、価格も高くつくので、その点は明確なデメリットになります。

ただ、Z690マザーボードであれば、なんでもいいわけではなく、価格が安いモデルの中にはZ690らしからぬ、フェーズ数の少なさ、ヒートシンクが簡素なものがあります。

そういったモデルの場合、core i9-12900KをMTPで安定的に動かすことを考えると少し不安になります。Z690マザーで極端に安いモデルは注意が必要です。

どのチップセットがおすすめ?

どのチップセットがおすすめなのか、正直個々やりたいことや使用するCPUが異なるので、はっきりとは言うことはできないです。

とりあえず、皆さんがやりたいだろうと思われることをピックアップし、そのうえで、おすすめのチップセットを紹介します。

CPUのオーバークロックをしたい

CPUのオーバークロックをしたいCPUのオーバークロックをしたいのなら、Z690一択です。というのも、600シリーズのチップセットのなかで、CPUのオーバークロックに対応しているのは、Z690だけだからです。

core i9-12900Kなどの最上位CPUをMTPで運用したい

core i9-12900Kなどの最上位CPUをMTPで運用したいcore i9-12900KのMTPは241Wなので、並みのマザーボードでは性能を引き出せません。

フェーズ数が多く、放熱がしっかりしているマザーボードの多くはZ690を採用しているので、Z690マザーボードから選んだほうが失敗のリスクは減ると思います。

もちろん、H670やB660マザーボードの中にも放熱に力を入れたモデルはありますが、そういったモデルを見極める必要があるので注意が必要です。

拡張性を求めている

拡張性を求めている拡張性を求めているのなら、Z690一択です。レーン数もUSBのポート数も他のチップセットを圧倒しています。

特にSATA経由でストレージを多く使いたいのなら、B660とH610はかなり厳しいと思います。最大4ポートだからです。

SATAを多く使いたいのなら、最大8ポート使える、Z690若しくはH670がおすすめです。

とにかくコスパを追い求めたい

とにかくコスパを追い求めたいとにかくコスパを求めているのなら、H610かB660をおすすめします。安いモデルであれば、1万円代前半で購入できるからです。

確かに拡張性や機能性ではZ690に劣っていますが、普通の使い方であれば、H610、B660でも正直問題はありません。

おすすめマザーボードを紹介

最後に自分がおすすめするマザーボードを各チップセットからそれぞれ1つずつ厳選して紹介します。

H610チップセット搭載おすすめマザーボード

ASRock H610M-HDV/M.2(DDR4)


おそらく2022年1月現在、600シリーズチップセットを搭載したマザーボードの中で最安なのが、このASRock H610M-HDV/M.2です。

電源回路のフェーズ数は6つ、そしてVRMヒートシンクはなし、さらにM.2のヒートシンクすらないという、コスト全振りである意味、潔いマザーボードです。

MTPの高いcore i9-12900KのようなCPUと組み合わせるのは向いていないですが、core i3-12100(F)のような発熱の低いCPUと組み合わせるのに向いています。

core i3-12100(F)もまたコスパ最強のCPUなので、このマザーボードと組み合わせることで、最安構成が目指せます。

B660チップセット搭載おすすめマザーボード

Asrock B660M Pro RS(DDR4)


Asrock B660M Pro RSは、B660マザボードの中では比較的安い部類に入るマザーボードです。

特に目立った特徴はないですが、M.2スロットは合計3基(そのうち1つはwifiモジュール用)もあるので拡張性もまずます。

さらに、M.2スロットのうち1基はヒートシンク装備、VRMヒートシンクも備えられています。基本的な性能は備わっています。

デザインは地味ですが、オンボードRGB LEDがあり、マザボードの右端が光ります。この価格帯のマザーボードでは珍しい機能だと思います。

電源回路のフェーズ数は8なので、MTPが高いCPUとの組み合わせるのに向いていませんが、core i5-12400あたりであれば、十分性能を活かせます。

ちなみにATXモデルのAsrock B660 Pro RSというモデルもあります。

H670チップセット搭載おすすめマザーボード

ASUS PRIME H670-PLUS D4(DDR4)


H670チップセットマザーボードの中では、おそらく最安値なのがこのASUS PRIME H670-PLUS D4です。

正直言うと、特別何か優れた機能や特徴はありません。いわゆる、スタンダードなモデルです。ただその分癖もなく、非常に扱いやすいです。

スタンダートモデルといっても、必要最低限な機能がついているので、普通に使う分には問題ありません。

M.2スロットも合計3つで、そのうちの1基にはヒートシンクがついてきます。また、PCIEスロットもx16のスロットが合計3つあるので、拡張性も十分です。

ただし、電源回路のフェーズ数は8なので、MTPが高いCPUとの組み合わせるのに向いていませんので、注意が必要です。

Z690チップセット搭載おすすめマザーボード

GIGABYTE Z690 UD(DDR4 or DDR5)

Z690の中でも、性能の割に値段が安い、いわゆるコスパの良いゲーミングマザーボードがGIGABYTE Z690 UD DDR4です。

安いからといって手抜きはなく、電源回路のフェーズ数は16+1+2構成でヒートシンクのつくりもしっかりしています。MTP241Wのcore i9-12900Kも安定して動かすことができます。

ただ、無線LANやThunderboltなどもなく、またLEDなどの装飾もありません。

なるべくコストを抑えつつ、性能の良いゲーミングマザーボードを探しているのなら、このGIGABYTE Z690 UD DDR4はおすすめです。

ちなみにDDR4版とDDR5版の2種類があります。DDR5版は末尾に何もつかず、GIGABYTE Z690 UDとなります。

 

まとめ

インテル第12世代Alder lake-Sのマザーボード選びは正直かなり厄介です。

今回、MTPという機能が初実装されたこともあり、チップセットの違いだけでなく、そのマザーボードが持っている熱耐性にも気を配る必要があるからです。

ただ、MTPが低く設定されている、core i3、core i5などはそこまで熱のことを気にする必要はありません。

とりあえず、マザーボード選びに失敗したくないのなら、まずは各チップセットの違いについて理解を深めることが重要となります。

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