Ryzen 5 5600Gはデスクトップ向けでは最高峰の性能の「Vega」アーキテクチャーのRadeon Graphichsを搭載しています。
今回はRyzen 5 5600Gの内蔵GPUの性能をインテルの内蔵GPUと比較して、主にどれくらいゲームが快適にプレーできるのか、検証してみました。

https://mogalabo.com/ryzen-5-5600g/
目次
- Ryzen 5 5600Gの内蔵GPUについて
- Radeon GraphichsとインテルUHDグラフィックス 730を比較
- 3Dベンチマーク
- ゲーミング性能
- FINAL FANTASY XIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
- FINAL FANTASY XV ベンチマーク
- ドラゴンクエストX ベンチマーク
- ASSASSINS CREED VALHALLA ベンチマーク
- Cyberpunk 2077 ベンチマーク
- Forza Horizon 5 ベンチマーク
- Tom Clancy's Rainbow Six Siege ベンチマーク
- Shadow of the Tomb Raider ベンチマーク
- Watch Dogs: Legion ベンチマーク
- STREET FIGHTER V ベンチマーク
- Apex Legends
- Fortnite
- VALORANT
- Overwatch 2
- PUBG:BATTLEGROUNDS
- Death Stranding
- 原神
- Ryzen 5 5600Gのゲーミング性能総括
- まとめ
Ryzen 5 5600Gの内蔵GPUについて
Ryzen 5 5600Gは、ZEN3アーキテクチャーを採用したAPU、Ryzen 5000Gシリーズに属します。上位モデルには、Ryzen 7 5700Gがあります。
GPUコアにはデスクトップ向けでは最高峰の性能の「Vega」アーキテクチャーのRadeon Graphichsが採用されているのが最大の特徴となっています。
Ryzen 5 5600G | |
コアアーキテクチャ | ZEN3 |
製造プロセス | 7nm |
プラットフォーム | Socket AM4 |
物理コア | 6 |
論理コア | 12 |
L2キャッシュ | 3MB |
L3キャッシュ | 16MB |
ベースクロック | 3.90GHz |
最大クロック | 4.40GHz |
グラフィックスコア | 7 |
GPUクロック | 1,900MHz |
TDP | 65W |
参考価格 ※2023年1月20日現在 | 約19,000円 |
上記の表は、Ryzen 5 5600Gのスペックをまとめたものです。
Ryzen 5 5600GのスペックはCPUコアが6コア/12スレッド、動作クロックは3.90GHz、ブーストクロックは4.40Ghz、L2キャッシュは3MB、L3キャッシュは16MBです。
グラフィックスコアは7基、GPUクロックは1,900MHz、メモリはDDR4-3200に対応しています。
その他細かなCPU性能についてのレビューはの下記記事を参考にしてみてください↓。
こちらもCHECK
-
-
Ryzen 5 5600Gをレビュー!Core i5-12400とCPU性能を比較検証
Ryzen 5 5600Gは、「ZEN3」を採用するAMDのデスクトップ向けAPUです。Ryzen 5000シリーズと同じアーキーテクチャーを採用ということで、内蔵GPUだけでなく、純粋なCPU性能の ...
続きを見る
PCショップ
<TSUKUMO
><パソコン工房
><ソフマップ
><
パソコンSHOPアーク>
Radeon GraphichsとインテルUHDグラフィックス 730を比較
Ryzen 5 5600Gを実際に組み込んだPCを使用して各種ベンチマークを行って、内蔵GPUの性能を検証していきます。
比較対象は、Core i5-12400です。内蔵GPUにはインテルUHDグラフィックス730を搭載しています。
インテルUHDグラフィックス730は、最新のインテルXeグラフィックスアーキテクチャーを採用したことにより、以前のインテル内蔵GPUに比べると、大幅に3D性能が向上したといわれています。
こちらもCHECK
-
-
驚異のワットパフォーマンス!core i5-12400をレビュー!core i5-11400Fと比較。
インテル第12世代、Alder Lake-Sのcore i5シリーズで最も価格が安いcore i5-12400を購入したのでレビューしたいと思います。 前世代のcore i5-11400と徹底比較して ...
続きを見る
AMDテスト機材 | インテルテスト機材 | |
CPU | Ryzen 5 5600G (amazon / TSUKUMO | Core i5-12400 (amazon / TSUKUMO |
CPUクーラー | DeepCool AK400 (amazon / TSUKUMO | |
CPUグリス | ARCTIC MX-4 (amazon / TSUKUMO | |
マザーボード | Gigabyte B450 SH2 | MSI PRO B660M-A (amazon / TSUKUMO |
メモリ | Crucial CT2K16G4DFRA32A(16GB×2/3200MHz動作) (amazon / TSUKUMO | |
SSD | Crucial P2 1TB (amazon / TSUKUMO | |
電源ユニット | 750W GOLD電源 使用モデル:V750 Semi-Modular RS750-AMAAG1-JP) | |
OS | Windows 11 Home 64bit (amazon / TSUKUMO |
テスト環境です。
検証用のマザーボードはAMD B450チップセットを採用するGigabyteの「B450 SH2」、メモリには3,200MHz駆動のCrucialの「CT2K16G4DFRA32A」(16GB×2)を使用しました。
3Dベンチマーク
3DMark Time Spy
まずは定番3Dベンチマークの3DMarkのAPIにDirect X12を使用する、超重量級テスト「Time Spy」のパフォーマンスをチェックします。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、CPUスコアでは922pts負けていますが、Graphicsスコアでは712pts、総合スコアでは798pts勝っています。
3DMark Fire Strike
APIにDirect X11を使用する、重量級テスト「Fire Strike」のパフォーマンスをチェックします。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、Graphicsスコアでは1,994pts、CPUスコアでは803pts、Combinesスコアでは489pts、総合スコアでは1684pts勝っています。
3DMark Wild Life
APIにVulkanを使用する、クロスプラットフォーム対応の中量級テスト「Wild Life」のパフォーマンスをチェックします。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、総合スコアで3011pts勝っています。
3DMark Night Raid
3DMarkのラストは、APIにDirect X12を使用する、軽量級テスト「Night Raid」のパフォーマンスをチェックします。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、Graphicsスコアでは8153pts、CPUスコアでは447pts、総合スコアでは6893pts勝っています。
PassMark PerformanceTest:GPU MARK
PassMark PerformanceTestは、「CPU」「2Dグラフィックス」「3Dグラフィックス」「メモリ」「ディスク速度」の5項目のパフォーマンスが計測できるベンチマークです。
今回はCPU性能を計測できるGPU MARKのパフォーマンスをチェックします。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、873pts勝っています。
Geekbench
Geekbenchは、Windows、Mac、Linux、iOS、Andoidといった、クロスプラットフォームで動作するベンチマークです。CPU性能も計測できますが、今回はGPU性能のみを計測します。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、OpenCLスコアでは8051pts、Vulkanスコアでは10423pts勝っています。
Blender Benchmark
Blender Benchmarkはオープンソースの3DCGソフトの「Blender」のレンダリングパフォーマンスを計測するベンチマークです。1分間に生成されるサンプル数で結果が表示されます。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、monsterでは9、junkshopでは3、classroomでは4負けています。
PCMark 10 Extended
PCMark 10は、複数のアプリケーションをPC上で動作させてパソコン全体の性能を計測できる、総合ベンチマークです。
PCの基本性能を計測する「Essentials」、ビジネスアプリケーションの処理性能を計測する「Productivity」、ゲームの実行に関わる性能を計測する「Gaming」、コンテンツ制作に関わる性能を計測する「Digital Content Creation」の4つのテストで構成されています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、Essentialsでは306pts負けていますが、Productivityでは3132pts、Digital Content Creationでは1325pts、総合スコアでは1307pts勝っています。
なお、Essentials スコアで4100以上、Productivityのスコアで4500以上、Digital Content Creationのスコアで3450以上がPC MARK 10が定める推奨のシステムです。
両CPUともに推奨環境を満たしています。
ゲーミング性能

FINAL FANTASY XIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
ここからは実際のゲームを想定したベンチマークを行っていきます。まず、最初に実施するのは、FINAL FANTASY XIV: 暁月のフィナーレのベンチマークです。
グラフィックス設定は標準品質(デスクトップ)を選択しています。
まず、総合スコアです。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの総合スコアでは1604pts、720pの総合スコアでは1417pts勝っています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは12fps、720pの平均フレームレートでは12fps勝っています。
FINAL FANTASY XV ベンチマーク
FINAL FANTASY XV ベンチマークです。グラフィックス設定は軽量品質を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの総合スコアでは1206pts、720pの総合スコアでは1935pts勝っています。
ドラゴンクエストX ベンチマーク
ドラゴンクエストX ベンチマークです。グラフィックス設定は低品質を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの総合スコアでは9669pts、720pの総合スコアでは7990pts勝っています。
ASSASSINS CREED VALHALLA ベンチマーク
ASSASSINS CREED VALHALLA ベンチマークです。グラフィックス設定は低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは17fps、720pの平均フレームレートでは27fps勝っています。
Cyberpunk 2077 ベンチマーク
Cyberpunk 2077 ベンチマークです。グラフィックス設定は低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは10fps、720pの平均フレームレートでは19fps勝っています。
Forza Horizon 5 ベンチマーク
Forza Horizon 5 ベンチマークです。グラフィックス設定は最低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは40fps、720pの平均フレームレートでは50fps勝っています。
Tom Clancy's Rainbow Six Siege ベンチマーク
Tom Clancy's Rainbow Six Siege ベンチマークです。グラフィックス設定は最低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは35fps、720pの平均フレームレートでは72fps勝っています。
Shadow of the Tomb Raider ベンチマーク
Shadow of the Tomb Raider ベンチマークです。グラフィックス設定は最低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは19fps、720pの平均フレームレートでは31fps勝っています。
Watch Dogs: Legion ベンチマーク
Watch Dogs: Legion ベンチマークです。グラフィックス設定は低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは13fps、720pの平均フレームレートでは23fps勝っています。
STREET FIGHTER V ベンチマーク
STREET FIGHTER V ベンチマークです。グラフィックス設定は低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは19fps勝っていますが、720pの平均フレームレートでは全くの互角でした。
というのも、このゲームは60fpsが上限なので720pでは軽すぎて、差がつきませんでした。
Apex Legends
ベンチマークモードがないので、演習場を3分間周回している間のフレームレートを計測します。
グラフィック設定にプリセットがないので、可能な限り各設定を最低レベルに引き下げています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは28fps、720pの平均フレームレートでは53fps勝っています。

Fortnite
ベンチマークモードがないので、クリエイティブ島を3分間周回している間のフレームレートを計測します。
グラフィックス設定は低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは50fps、720pの平均フレームレートでは98fps勝っています。

VALORANT
ベンチマークモードがないので、演習場を3分間周回している間のフレームレートを計測します。
グラフィック設定にプリセットがないので、可能な限り各設定を最低レベルに引き下げています。解像度は1,920×1,080ドットです。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは119fps、720pの平均フレームレートでは93fps勝っています。
Overwatch 2
ベンチマークモードがないので、演習場を3分間周回している間のフレームレートを計測します。
グラフィックス設定は低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは43fps、720pの平均フレームレートでは84fps勝っています。
PUBG:BATTLEGROUNDS
ベンチマークモードがないので、演習場を3分間周回している間のフレームレートを計測します。
グラフィックス設定は最低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは39fps、720pの平均フレームレートでは61fps勝っています。
Death Stranding
ベンチマークモードがないので、フィールドを3分間歩いている間のフレームレートを計測します。
グラフィックス設定は低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは16fps、720pの平均フレームレートでは27fps勝っています。
原神
ベンチマークモードがないので、フィールドを3分間歩いている間のフレームレートを計測します。
グラフィックス設定は低設定を選択しています。
Ryzen 5 5600GはCore i5-12400に対して、1080pの平均フレームレートでは31fps、720pの平均フレームレートでは52fps勝っています。

Ryzen 5 5600Gのゲーミング性能総括
今までとってきたゲームベンチから、Ryzen 5 5600Gのゲーミング性能を総括したいと思います。全てのゲームはスケーリング100%、グラフィック設定は低設定です。
なお、Fortniteのようなマルチプレーがメインのゲームでは、マルチプレーでの快適さを想定しています。
△・・・ギリギリプレー可能
×・・・厳しい
Ryzen 5 5600G(Radeon Graphics) | ||
解像度 | 1080p | 720p |
FINAL FANTASY XIV | × | 〇 |
FINAL FANTASY XV | × | × |
ドラゴンクエストX | 〇 | 〇 |
ASSASSINS CREED VALHALLA | × | × |
Cyberpunk 2077 | × | × |
Forza Horizon 5 | △ | 〇 |
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege | 〇 | 〇 |
Shadow of the Tomb Raider | × | △ |
Watch Dogs: Legion | × | × |
STREET FIGHTER V | 〇 | 〇 |
Apex Legends | △ | 〇 |
Fortnite | 〇 | 〇 |
VALORANT | 〇 | 〇 |
Overwatch 2 | 〇 | 〇 |
PUBG:BATTLEGROUNDS | △ | 〇 |
Death Stranding | × | △ |
原神 | 〇 | 〇 |

まとめ
数々のベンチマークで検証した通り、Ryzen 5 5600Gの内蔵GPU、Radeon Graphicsの性能は非常に高いです。インテルの内蔵GPUと比べると、圧倒的な差があります。
Ryzen 5 5600G単体で、解像度が720pであれば大抵のゲームはもちろん、軽いゲームであれば1080pでもプレーできるポテンシャルがあります。
個人的には、Fortniteのマルチプレーが1080pでも普通に遊べてしまうことに驚きました。
ただ、Cyberpunk 2077などの重量級のゲームはたとえ720pにしても、快適にプレーするのは不可能に近いので過度な期待は禁物です。
もし、性能不足も感じても、CPU性能も悪くないので、あとからビデオカードを付け足すことも可能なので汎用性の高さも魅力的です。
2023年3月現在、Ryzen 5 5600Gは2万円前後まで価格が落ちており、まさに今が買い時となっています。
PCショップ
<TSUKUMO
><パソコン工房
><ソフマップ
><
パソコンSHOPアーク>