あらゆるものが高騰している昨今ですが、もちろんPCパーツも例外ではありません。何も考えなしにPCパーツを選定していったら、簡単に予算オーバーします。
ただ、コスパの高いPCパーツをきちんと選定しさえすれば、限られた予算で収まる可能性が高まります。
今回は総額10万円で最適なPCパーツを選定し、コスパの高いゲーミングパソコンの構成案を1つ紹介したいと思います。

PCパーツの価格は2023年10月2日現在です。価格が変動や、在庫切れで購入できない可能性もありますのでご了承ください。
自作パソコンで必要になるパーツとは
パソコンを構築するうえで必要になるパーツは以下の通りです。
- CPU
- マザーボード
- ビデオカード
- メモリ
- ストレージ
- 電源ユニット
- PCケース
- OS
この中で断トツで高額なのがビデオカードです。なるべくビデオカードに投入し、残りのパーツでどれだけ節約できるかがポイントになります。
10万円という厳しい予算の制限があるので、他のパーツでいかに節約するのかがポイントとなります。
CPU
そのため、CPU性能も過剰に高くする必要はありません。
価格が安く、性能もそこそこ高いといったCPUを選ぶべきです。
2023年9月現在、その条件に合致するのは、AMDのZEN3のCPUになります。後継のZEN4が出たことにより、ZEN3の価格は急激に安くなっており、お得感が強まっています。
ここでは、Ryzen 5 5500を選びます。Ryzen 5 5500は、ZEN3の6コア12スレッドのCPUです。Ryzen 5 5500はAPUのRyzen 5 5600Gをベースに、GPUを無効化した製品です。
そのため、上位モデルのRyzen 5 5600に比べると、Pcie 3.0対応やL3キャッシュの量が16MBと半減しています。
その分、価格は安くなっており、コスパが高いです。
なお、Ryzen 5 5500にはCPUクーラーが付属するので、別途社外品のCPUクーラーを購入する必要はありません。


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↓Ryzen 5 5600GのCPU性能を検証した記事ですが、性能的にRyzen 5 5500とほぼ同等なため、参考になると思います。


マザーボード
チップセットもRyzen 5 5500自体がPcie 3.0対応なので、Pcie 4.0非対応のA520で十分です。
おすすめのA520チップセットマザーボードはMSI A520M-A PROです。
M.2スロットは1基、SATAは4基、メモリスロットは2基、USBポートは6基と、拡張性はまずまずといった感じです。
妥協したところもありますが、価格は非常に安く、さらにAmazonで販売しているものは、Ryzen 5000シリーズに対応のBIOS更新済みなので安心感があります。
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ビデオカード
ゲーム性能に最も直結するPCパーツ、それがビデオカードです。ビデオカードの性能が高ければ高いほど、ゲームは快適に動きますが、同時に価格も上がっていきます。
特に昨今、ビデオカードの価格高騰は凄まじいものがあり、ハイエンドとなると余裕で10万円以上します。
そこでおすすめなのが、4万円~5万円に位置するミドルクラス帯のビデオカードです。
おすすめはRTX 3060です。4Kなどの高解像は厳しいですが、フルHD解像度であれば、重量級のゲームでも十分快適にプレー可能です。
RTX 3060はVRAMが12GBとミドルクラス帯のビデオカードとしては破格の容量を誇ります。
さらに、RTXシリーズということで、レイトレやDLSSも使用可能です。DLSSを活用すれば、この先さらに負荷が重いゲームがあっても十分プレー可能だと思われます。
RTX3060は様々なモデルがありますが、今回は玄人志向 GG-RTX3060-E12GB/OC/DFを選びます。価格が安いだけでなく、バックプレート装着済みで、冷却に優れたデュアルファン搭載、さらに保証が3年というのが魅力的なモデルです。


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RTX 3060にはVRAM容量が8GBのモデルがあります。12GB版に比べて、バス幅も狭くなっており、性能が低いです。選ばないように注意が必要です。
メモリ


ゲーム用途であればメモリの容量は16GBで十分です。



メモリ16GBでは足りないCities:Skylinesのようなゲームも一部あります。


おすすめのメモリはCFD W4U3200CS-8Gです。2枚組で、8GB×2のデュアルチャネルが構築できます。JEDEC準拠なので、つけるだけでDDR4-3200で動きます。
さらに、購入後1カ月は返金対応してくれるメモリ相性保証サービスがついているので安心感があります。


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ストレージ


できれば2TB以上欲しいところではありますが、今回は10万円以内という予算の都合上、1TBで妥協します。
また、今回マザーボードにM.2スロットがあるので、M.2 SSDで探したいと思います。
おすすめのM.2 SSDはキオクシアのEXCERIA G2 1TBです。


エントリークラスのM.2 SSDですが、このクラスでは珍しく、TLCNAND採用かつ、DRAMキャッシュを搭載しています。大量のデータを書き込んでも落ちにくい強みがあります。


性能自体は控えめですが、その分、発熱少な目で扱いやすいです。安定性が重要なシステムドライブとして、このEXCERIA G2は無難な選択肢の1つとなっています。


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電源ユニット
電源ユニットですが、正直選び方は難しいです。信頼性を重視した電源だと、余裕で2万円以上するので、予算オーバーにつながりやすいです。そのため、コスパを重視するのなら、手頃な価格の定番電源を選ぶべきです。
おすすめは、650W電源のASUS TUF-GAMING-650Bです。TUFシリーズに属するので、コンデンサとチョークはミリタリーグレード認証をうけています。
PCB保護コーティングで、埃や湿気に強いです。また、TDPが30%以下になると、ファンを停止させる、0dBテクノロジーが採用されています。
低価格帯の電源としては珍しく、6年保証付きと長期間の保証がついているのも嬉しいです。
セミプラグイン式が欲しいのであれば、玄人志向 KRPW-BK650W/85+がおすすめです。


セミプラグイン式では不要な線を外すことが可能です。配線が楽になるだけでなく、PCケース内に余裕をもたらすことができます。


アルミ電解コンデンサーは全て日本メーカー製の耐熱105℃品を採用と、信頼性も高いです。ただし、保証は3年間と短いのでその点は注意が必要です。


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PCケース


ただ、あえておすすめするのなら、Micro ATXケースのThermaltake S100 TGです。
この価格帯としては珍しく、スイングドア式ガラスパネルを採用しています。コスパが高いということで、今現在も売れ筋ランキング上位のPCケースです。


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OS


DSP版だと安く購入できますが、セットで購入したハードウェアを組み込んだPCに対してのみインストールという厳しい制限があります。
DSP版はライセンス上、異なるPCに使いまわせないので、素直にパッケージ版をおすすめします。


パッケージの中にはインストール用のUSBドライブが入っています。
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パーツ構成まとめ
パーツ | 製品名 | 参考価格※2023年10月2日 |
---|---|---|
CPU | Ryzen 5 5500 | 15,480円 |
マザーボード | MSI A520M-A PRO | 7,747円 |
ビデオカード | 玄人志向 GG-RTX3060-E12GB/OC/DF | 38,398円 |
メモリ | CFD W4U3200CS-8G | 3,912円 |
ストレージ | キオクシア EXCERIA G2 1TB | 6,480円 |
電源ユニット | ASUS TUF-GAMING-650B | 8,980円 |
PCケース | Thermaltake S100 TG | 4,864円 |
OS | Windows 11 HOME パッケージ版 | 15,510円 |
総額 | 101,371円 |
各パーツすべてをAmazonで購入した場合の予算総額です。各パーツを切り詰めれば、このように総額10万円のラインに抑え込むことも十分可能です。
もし予算的にもう少し余裕があれば、例えばCPUを上位のRyzen 5 5600にするといったことも考えてもいいかもしれません。
まとめ
ZEN3とそれに対応するマザーボードが驚くほど安くなっているため、以前よりも10万円の予算内でゲーミングパソコンを構築しやすくなりました。
パーツ選定さえしっかりやれば、予算10万円でも立派なゲーミングパソコンは作れるので、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。

