Mini ITXはマザーボードの規格の中で最も小型なので、どんなPCケースの中にも入れることができます。
でもせっかくMini ITXのマザーボードを購入するのなら、最大でMini ITXまでしか対応していない小型のPCケースを使いたいところです。
そこで今回はおすすめのMini ITX対応のPCケースを6つ厳選して紹介したいと思います。

Mini ITX対応のPCケースの圧倒的な小型さという特徴は、ATX、Micro ATX対応のPCケースにはない魅力です。
Mini ITX対応のPCケースを選ぶ際の注意点
マザーボードのサイズに注意
Mini ITX対応のPCケースを選ぶ前に、念のため自分のマザーボードのサイズが何か、確認することをおすすめします。



一部、Micro ATXのマザーボードが入る、Mini ITX対応のPCケースもあるにはあるのですが、仮に入れることができたとしても、内部のスペース的にさらに余裕がなくなるので、あまりおすすめできません。
組みづらいので注意(特に自作PC初心者)
個人的に自作PCは、プラモデルを組み立てるよりも簡単だと思いますが、Mini ITX対応のPCケースを使う場合は例外です。
ケース内部にスペースがないので、手をPCケース内部に入れてパーツをつけるといったことがほぼ不可能です。あらかじめ、パーツをマザーボードにつけた状態でPCケースに組み込むなどの工夫が必要です。
自作PC初心者でMini ITX対応のPCケースを使う場合、組み際の難易度が高いと前もって覚悟はしたほうがいいと思います。
CPUクーラー、グラフィックカードの大きさに注意
Mini-ITX対応のPCケースは小型ゆえに、内部スペースに余裕がありません。そのため、高さがあるCPUクーラーや、長さがあるグラフィックカードは物理的に入らない可能性が高いです。
その場合、高さが抑えられてる空冷クーラーや簡易水冷を使ったり、長さが抑えられているビデオカードをも使う必要に迫られる可能性があります。
Mini-ITX対応のPCケースを購入する前に、そのPCケースの対応CPUクーラーの高さ、ビデオカードの長さがどれくらいまで対応なのか、前もって確認することをおすすめします。



2022年現在、Mini-ITX対応のPCケースの中には大胆な内部構造を採用し、大型のビデオカードやラジエーターを組み込めるものも増えてきました。
ストレージの搭載量に注意
ストレージを大量に搭載したいのなら、外付け用のタイプのストレージを使ったり、M.2のSSDを使うといった工夫が必要です。
電源のサイズに注意
ATX電源に対応していない場合、当然、SFX電源を使うことになります。電源サイズは要注意です。
また、たとえ、ATX電源に対応でも、Mini-ITX対応のPCケース内部にはスペースに余裕がないので、ATX電源は、ケーブル脱着可能なプラグイン式をおすすめします。
万が一、長いグラフィックカードを搭載するのなら、奥行きがあまりないSFX電源を選んだほうがいい場合もあります。電源とグラフィックカードが干渉する可能性があるからです。
比較的大柄のモデルも多い
そういったモデルは、たいていの場合、Mini-ITX対応のPCケースとは思えないほど、巨大です。
あくまでもPCケースに小型さだけを追い求めているのなら、素直にスリムケースを選ぶことをおすすめします。ただしロープロファイルのビデオカードのみ搭載可能など、制限はかなり厳しいです。
おすすめMini ITX対応PCケース5選
darkFlash DLH21
darkFlash DLH21
拡張性が高く、小型のPCケースでも強力なゲーミングPCを作りたい方にはピッタリのPCケースとなっています。
さらに定番のブラック、ホワイトだけでなく、ピンク、ミントといった変わり種のカラーバリエーションも用意されている点も魅力的です。
このdarkFlash DLH21は、ある意味、Mini ITX対応PCケースの現代のトレンドを全て取り入れているといえるので、まずはこのPCケースから検討してみてはいかがでしょうか?
darkFlash DLH21の仕様 | |
対応マザーボード | Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 高さ134mmまで |
対応ビデオカード | 長さ320mmまで |
対応ラジエーター | サイド:120/240mm |
ドライブベイ | 3.5″×1 or 2.5″×2 |
対応ケースファン | トップ:92mm×1 サイド:120mm×2 |
対応電源 | SFX/SFX-L ※長さ125mmまで |
I/Oポート | USB Type-C×1、USB 3.0×2、HD Audio×1(ヘッドホン/マイク) |
重量 | 4.7kg |
外形寸法 | 175(W)×412(H)×238.8(D) mm |
Thermaltake The Tower 100
The Tower 100
長さ33cmまでのビデオカードが搭載できます。また、側面、上面および背面に穴が開いており、効率的なエアフローが実現できています。
また、「Dismantlable Modular Design」を採用しているので、極限までパーツを分解できる仕様になっているため、非常に組みやすいです。
Thermaltake The Tower 100の仕様 | |
対応マザーボード | Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 高さ190mmまで |
対応ビデオカード | 長さ330mmまで |
対応ラジエーター | サイド:120mm |
ドライブベイ | 2.5インチ×2 or 3.5/2.5インチ共用×2(背面ファン非搭載時) |
対応ケースファン | トップ:140/120mm×1 サイド:140/120mm×1 電源カバー上:140/120mm×1 |
対応電源 | ATX、SFX、SFX-L ※長さ180mmまで |
I/Oポート | USB 3.2 (Gen 2) Type-C x 1, USB 3.0 x 2, HD Audio x 2 |
重量 | 6.1 kg |
外形寸法 | 266(W)×462.8(H)×266(D) mm |
COOLER MASTER NR200P
Mini ITX対応対応PCケースはとにかく、グラフィックカードの制限が多いです。グラフィックカードの長さもそうですが、スロット数の制限も気にする必要があります。
というのも多くのMini ITX対応対応PCケースは、2スロットのタイプが多いからです。3スロットを占有する幅のあるグラフィックカードが搭載できないケースが多々あります。
しかし、例外があるPCケースがあります。それは、NR200Pです。
このPCケースの最大の特徴は、とにかくグラフィックカードの制限が緩い点です。最長330mmという長さに対応しているだけでなく、3スロットを占有するグラフィックカードにも対応しています。
さらに、付属のライザーケーブルを使用して、グラフィックカードを垂直に立たせることができます。
なおサイドパネルが強化ガラスではなく、中身が見えないスチール製のサイドパネルになっている、NR200というモデルもあります。
COOLER MASTER NR200Pの仕様 | |
対応マザーボード | Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 高さ153mmまで 高さ76mmまで(ビデオカードを垂直に配置する場合) |
対応ビデオカード | 長さ330mmまで |
対応ラジエーター | 背面:92mm(グラフィックボード垂直配置時は非対応) 側面:280/240/140/120mm(グラフィックボード垂直配置時は非対応) 底面:240/120mm |
ドライブベイ | 3.5インチ x1(最大2) 2.5インチ/3.5インチ(COMBO) x1 2.5インチ x2(最大 3) |
対応ケースファン | トップ:120mm×2 背面:92mm×1 サイド:140/120mm×2 底面:120mm×2 |
対応電源 | SFX-L、SFX電源※長さ130mmまで |
I/Oポート | USB 3.2 Gen 1 Type-A×2、ヘッドホン/マイク×1 |
重量 | 5.93 kg |
外形寸法 | 185(W)×292(H)×376(D) mm |
Fractal Design Era ITX
質感の良いPCケースメーカーといえば、Fractal Designが代表格です。特にDefineシリーズは昔からロングセラーで一部熱狂的なファンもいます。
そんなFractal DesignのMini ITX対応対応PCケースが、Era ITXです。Fractal Designらしい、デザイン性の高さが大きな魅力です。
もちろんデザイン性の高さだけでなく、内部構造も考えられています。「Flexible storage」というストレージ専用のブラケットが用意され、2.5インチのストレージを2台、または3.5インチのストレージ1台を効率的に配置できます。
それだけでなく、エアフローにも力が入れられています。随所に空気の吸排気できる穴が開いており、しかもその位置に防塵フィルターが装備されています。
Fractal Design Era ITXの仕様 | |
対応マザーボード | Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 高さ120mmまで ※3.5インチHDDを側面に取り付ける際は70 mmが推奨 |
対応ビデオカード | 長さ295mmまで |
対応ラジエーター | 120/240 mmまたは2 x 120 mm |
ドライブベイ | SFX電源ユニット搭載時:内部3.5インチ×2または内部3.5インチ×1、内部2.5インチ×2または内部2.5インチ×4
ATX電源ユニット搭載時:内部3.5インチ×1または内部2.5インチ×2 |
対応ケースファン | トップ:120mm×2 背面:80mm×1 底面:140mm×2(グラフィックボード非搭載時) |
対応電源 | ATX、SFX、SFX-L※長さ200mmまで |
I/Oポート | USB 3.1 Gen 2 Type-C×1、USB 3.0×2,ヘッドホン/マイク×1 |
重量 | 4.167kg |
外形寸法 | 166(W)×310(H)×325(D) mm |
LIAN LI PC-Q21
Mini ITX対応のPCケースは基本的に小型ですが、その中でもひと際小さいのがPC-Q21Bです。
幅149mm、高さ257mm、奥行き224mmというサイズ感は、今まで紹介してきたMini ITX対応のPCケースと比べても圧倒的に小型です。また、CPUクーラーの高さは60mmまでとなっているので、注意が必要です。
さすがにこの小型ゆえに、長さ170mmまでと、ビデオカードの制限はかなり厳しいイメージです。
ただ、その代わり、小型の割にストレージの搭載量はかなりのものがあります。スロットイン式を採用しているため、2.5インチストレージが3台、3.5インチストレージが2台搭載できます。
また、スリム光学ドライブ用ベイを使えば、2.5インチのストレージを4台も搭載可能です。
LIAN LI PC-Q21の仕様 | |
対応マザーボード | Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 高さ60mmまで |
対応ビデオカード | 長さ170mmまで |
対応ラジエーター | – |
ドライブベイ | 内部3.5インチベイ×2(フロント+ボトム) 内部2.5インチベイ×3(フロント+ボトム) ※スリム光学ドライブ用ベイを活用すれば、2.5インチベイ×4 |
対応ケースファン | 底面:120mm×1 |
対応電源 | SFX、SFX-L※長さ170mmまで |
I/Oポート | USB3.0 ×2 |
重量 | 6.1kg |
外形寸法 | 149(W)×257(H)×224(D) mm |
SSUPD MESHLICIOUS


「MESHLICIOUS」は、「MESH」という名前がある通り、PCケースの表面に無数のメッシュ穴が開いているのが特徴のPCケースです。
この無数のメッシュ穴により、Mini ITX対応のPCケースとは思えないくらい、エアフローが良いです。
拡張性にも優れており、ATX電源も搭載可能で、ビデオカードも長さ334mmまで対応しています。また、280mmのラジエーターにも対応しているので、簡易水冷CPUクーラーの導入も可能です。
メンテナンス性にも優れており、正面、左右、トップのメッシュパネルはツールフリーで外すことが可能です。
SSUPD MESHLICIOUSの仕様 | |
対応マザーボード | Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 3スロット時:高さ73mmまで 4スロット時:高さ53mmまで |
対応ビデオカード | スモールファームVGAの場合:長さ211mmまで フルファームVGAの場合:長さ334mm、高さ155mmまで |
対応ラジエーター | 120 / 140 / 240 / 280 mm |
ドライブベイ | 内部3.5インチベイ×2(2.5インチデバイスとの排他になります) 内部2.5インチベイ×3 or 7(VGAサイズによります) |
対応ケースファン | 前面:120mm x2 / 140mm x2 |
対応電源 | ATX、SFX-L、SFX スモールファームVGAの場合:長さ211mmまで フルファームVGAの場合:長さ334mm、高さ155mmまで |
I/Oポート | USB 3.0 x 1、Type-C 3.1 Gen 2 x 1 |
重量 | 4.2kg |
外形寸法 | 220(W)×410(H)×300(D) mm |
MESHLICIOUSを採用したBTOパソコン、Presence CAGEのレビューはこちら↓。


まとめ
今回はMini ITX対応のおすすめPCケースを紹介しました。
Mini ITX対応のPCケースは、組みづらいというデメリットはありますが、この圧倒的小型なサイズ感はデメリットさえ打ち消す魅力があります。
今回の記事がみなさんのお役に立てれば嬉しいです。ぜひ参考にしてみてください。



