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「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」をレビュー!安い割に良く冷えるコスパ最強CPUクーラー

Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB

ヒートシンクが2つある、「デュアルタワーデュアルタワー型ヒートシンク」を採用しているCPUクーラーは、一般的に冷却性能が高めです。その分製造コストがかかるので、全体的に価格は高めです。

ただ、唯一、「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」だけは例外です。

「デュアルタワーデュアルタワー型ヒートシンク」を採用しておきながら、実売価格は3,500円~4,000円ほどと驚異的な安さです。

この異様な安さに「本当に冷えるのか?」と疑心暗鬼に思っている方も多いのではないでしょうか?

今回は「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」を購入しましたので、他社のCPUクーラーと比較してレビューしたいと思います。

目次

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の仕様

型番‎PA120SE-D1-JP
本体サイズ135(W)×155(H)×125(D)mm(付属ファン・ファンクリップの突起込み)
ファンサイズ120 × 120 × 厚さ25 mm
ファン回転数(ファン1基あたり)1550 RPM±10%(最大)
風量(ファン1基あたり)66.17 CFM(最大)
ノイズ(ファン1基あたり)25.6 dBA(最大)
静圧(ファン1基あたり)1.53mm H2O(最大)
対応ソケットIntel:1150 / 1151 / 1155 / 1156 / 1200 / 1700
AMD:AM4 / AM5
重量970 g(付属ファン込み)
ヒートパイプの本数6mm径×6本
付属品リテンションキット、ファンクリップ、グリス、マニュアル
保証1年
参考価格
※2024年3月時点
約3,800円

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の対応ソケットは、Intel 1150 / 1151 / 1155 / 1156 / 1200 / 1700、AMD AM4 / AM5となり、現在主力となっているCPUソケットはほぼカバーしています。

付属ファン込みの外形寸法は幅135mm、奥行125mm、高さ155mmで、全重量は970gとなっています。

モガ

ファンがARGBに非対応の通常モデルもあります。ただ、価格差はほとんどないので、ARGBのモデルの方がお得感があります。

Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGBの外観をチェック

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」のパッケージ

Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」のパッケージです。SDGsを意識しているのか、簡素なパッケージでした。

梱包はしっかり

ただ、梱包はしっかりしています。発砲スチロールでしっかり保護されています。

かなりのボリューム感

ヒートシンクそのものが巨大なのに加えて、ファンを2つつけるのでかなりのボリューム感です。

何重にも折り重なったフィン

何重にも折り重なったフィンによって、剛性と熱伝導率を高めます。

ヒートシンクは対照的に配置
受熱ベースプレートがほんの少し中心がずれている

ヒートシンクは対照的に配置されているため、メモリに対するオフセットは期待できません。一方、受熱ベースプレートがほんの少し中心がずれているため、グラボに対するオフセットは若干期待できます。

照的なデザイン

右側がメモリスロット、左側がバックパネルがあります。やはり対照的なデザインです。

トップパネルには「THEMAL RIGHT」の文字とロゴが装飾

トップパネルには「THEMAL RIGHT」の文字とロゴが装飾されています。

リテンションに設けられた「THEMAL RIGHT」のロゴ

また、2つのヒートシンクの間から、リテンションに設けられた「THEMAL RIGHT」のロゴを見ることができます。

ヒートパイプは特別設計のAGHPヒートパイプが採用

受熱ベースプレートは銅製で出来ており、またかなり厚みがあるので、CPUの発熱を吸い上げてくれそうです。ヒートパイプは特別設計のAGHPヒートパイプが採用されています。サイズは6mm径で、計6本あります。

受熱ベースプレートには、「メタルバー」が装着済み

受熱ベースプレートには、「メタルバー」が装着済みです。

受熱ベースプレートは真っ平ではなく、若干凹凸がある

受熱ベースプレートは真っ平ではなく、若干凹凸があります。CPUとの圧着をより強くするための措置かもしれません。

デュアルファン方式

付属ファンは、2つのヒートシンクにつけるデュアルファン方式を採用しています。

TL-C12C-S FAN

付属ファンは「TL-C12C-S FAN」が採用されています。スペックは以下の通りです。クーラー搭載用に特化した静圧重視のモデルです。四隅には防振ラバーが装着済みです。

  • サイズ:120 × 120 × 厚さ25 mm
  • 回転数:1550 RPM±10%(最大)
  • 風量:66.17 CFM(最大)
  • 静圧(最大):1.53mm H2O(最大)
  • ノイズ:25.6 dBA(最大)
ARGBに対応しているので、光らせることが可能

ARGBに対応しているので、光らせることが可能です。

ファン装着時の全重量は実測で、974g

ファン装着時の全重量は実測で、974gでした。

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の付属品をチェック

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の付属品をチェック

Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の細かな付属品は白い箱に収められていました。それぞれ詳しく見ていきます。

マニュアル
マニュアル
CPUグリス
CPUグリス
LGA17XX用バックプレート
LGA17XX用バックプレート
LGA15XX用バックプレート
LGA15XX用バックプレート
インテル用マウンティングプレート
インテル用マウンティングプレート
AMD用マウンティングプレート
AMD用マウンティングプレート
ファンクリップ
ファンクリップ
分岐ファンケーブル
分岐ファンケーブル
インテル用スペーサー
インテル用スペーサー
AMD用スペーサー
AMD用スペーサー
LGA115x用スペーサー
LGA115x用スペーサー
インテル用ネジ
インテル用ネジ
AMD用ネジ
AMD用ネジ

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」のマザーボードへの搭載手順

LGA1700ソケット対応のマザーボード(GIGABYTE B760 AORUS ELITE)への取付手順

今回はLGA1700ソケット対応のマザーボード(GIGABYTE B760 AORUS ELITE)を使用して、「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の取付手順を解説します。

STEP
マザーボード背面からLGA1700専用バックプレートをはめこむ
マザーボード背面からLGA1700専用バックプレートをはめこむ
STEP
マウントホールから突き出てるピンにLGA1700専用スペーサーをはめる
マウントホールから突き出てるピンにLGA1700専用スペーサーをはめる
STEP
インテル用マウンティングプレートをナットで固定
インテル用マウンティングプレートをナットで固定
STEP
ネジを回してリテンションに固定
ネジを回してリテンションに固定
STEP
ファンクリップで付属ファンを固定
ファンクリップで付属ファンを固定
STEP
分岐ファンケーブルを用い、配線をして取り付け完了
分岐ファンケーブルを用い、配線をして取り付け完了
モガ

AMDの場合、バックプレートはマザーボード付属のものを使用します。大きな違いはそれくらいで、後の搭載手順はインテルとほぼ同じです。

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」のクリアランスの確認

メモリとの物理干渉を起こしていいる。

Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」取り付け後のクリアランスをチェックします。

高さも幅もあるオーバークロックメモリ、Kingstonの「 FURY Renegade DDR5 RGB メモリ」を使って、メモリ周りのクリアランスをチェックします。

見てわかるように、メモリとの物理干渉を起こしています。

ファンが上方向に持ち上がる。

そのおかげでファンが上方向に持ち上がります。背の高いメモリを使用した場合、PCケースの高さ制限はより一層厳しくなります。

ARGBのメモリはファンに隠れてしまう。

ARGBのメモリはファンに隠れてしまい、メモリのライティングを楽しむことが出来なくなります。

ビデオカードとのクリアランスはかなり狭い

ビデオカードとのクリアランスはかなり狭いです。

ビデオカードとのクリアランスは実測で約18mm

ビデオカードとのクリアランスは実測で約18mm。指2本分入るかどうかの隙間しかないので、CPUクーラーを取り付けたままのビデオカードの交換は困難です。

後方のVRMヒートシンクとの干渉は一切なし

ただし後方のVRMヒートシンクとの干渉は一切ありません。

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の冷却性能をチェック

検証環境

検証環境
CPUインテル 「Core i5-14600KF
CPUグリスARCTIC 「MX-4
ビデオカードGAINWARD「GeForce RTX 4070 Ghost
マザーボードGIGABYTE「B760 AORUS ELITE
メモリKingston 「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(型番:KF580C38RSAK2-32)」(16GB×2)
(DDR5-4800に設定)
SSDKingston「NV2 SSD 2TB
Western Digital「WD_BLACK SN770 NVMe 1TB
Western Digital「WD Blue SN580 NVMe SSD 1TB
電源ユニットCorsair「RM750e
PCケースXPG「VALOR AIR JP2
OSWindows 11 Home 64bit版

ここからは実際に「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」をパソコンに組み込んで冷却性能をチェックします。

Core i5-14600KF

CPUにCore i5-14600KFを使用します。インテル第14世代のCPUで、Pコアが6つ、Eコアが8つ、計14コア20スレッドのCPUです。PBPが125W、MTPは181WなのでCore i5にしては発熱は激しいです。

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XPG VALOR AIR JP

PCケースは「XPG VALOR AIR JP」を採用します。ベンチ台ではなく、PCケース内に収めるのでCPU温度は高めに計測されます。ただ、XPG VALOR AIR JPにはケース内付属ファンが前面に3つ、背面に1つあり、エアフローは良好です。さらに静音ファンなので騒音はそこまでうるさくないです。

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「MUGEN6 BLACK EDITION」の冷却性能をチェック

ここからは「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の冷却性能をチェックします。テストは「Cinebench 2024:10分連続」と、「FF14ベンチマーク:フルHD最高設定」を使用します。

テスト実行時の室温は20℃前後です。計測ソフトは「HWINFO64 Pro V7.72」を使用します。

Cinebench 2024 (Multi Core)での冷却性能テスト

Cinebench 2024 (Multi Core)での冷却性能テスト

まず、3DCGレンダリング性能を計測するベンチマークソフト「CInebench 2024:10分連続」の「CPU (Multi Core)」を実行します。電力リミットを181Wに設定した場合と、125Wに設定した場合の冷却性能をチェックします。

PL181Wの「CInebench 2024」のCPU温度

PL1/PL2=181Wの設定では、「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」のCPU温度は平均78℃前後、最大85℃前後にとどまります。最大温度で比較すると、AK400と比べると8℃、MUGEN6 Black Editionと比べると2℃低いです。

PL125Wの「CInebench 2024」のCPU温度

PL1/PL2=181Wの設定では、「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」のCPU温度は平均59℃前後、最大64℃前後にとどまります。最大温度で比較すると、AK400と比べると9℃、MUGEN6 Black Editionと比べると6℃低いです。

FF14ベンチマークでの冷却性能テスト

FF14ベンチマークでの冷却性能テスト

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレベンチマークを実行中の冷却性能をチェックします。解像度はフルHD、グラフィックは最高に設定しています。

FF14ベンチマーク実行時のCPU温度

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」のCPU温度は平均45℃前後、最大59℃前後にとどまります。最大温度で比較すると、AK400と比べると6℃、MUGEN6 Black Editionと比べると3℃低いです。

モガ

「Peerless Assasin 120 SE ARGB」の冷却性能は優秀です。「MUGEN6 BLACK EDITION」よりも優秀です。

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の騒音をチェック

騒音は、パソコンから約20cmの距離から簡易騒音計を用いて測定

パソコンから約20cmの距離から簡易騒音計を用いて、ファンがフル回転した際の騒音を測定します。負荷テストには「Cinebench 2024」を使用します。

「Cinebench 2024」実行時のファンのフル回転時の騒音

「Cinebench 2024」実行時のファンのフル回転時の騒音です。

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の騒音は42でした。AK400と比べると10dBA、Peerless Assasin 120 SE ARGBと比べると4dBA高い結果でした。

明らかに「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」の高負荷時の騒音はうるさいです。

ファンの回転数

ファンの回転数は公表値の最大回転数の1,550rpm前後まで上昇しています。

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」のメリット・デメリット

メリットデメリット
「デュアルタワーデュアルタワー型ヒートシンク」を採用しているCPUクーラーとしては驚異的な安さ
冷却性能は優秀(MUGEN6 BLACK EDITIONより冷える)
ファンがARGB対応
高さは155mmなのでPCケースに収めやすい
オフセットではないのでメモリと物理干渉する
ARGBメモリのライティングを見れなくなる
若干オフセットされるが、それでもビデオカードとのクリアランスは厳しい
全体的に質感は安っぽい
高負荷時の騒音はうるさい
バックパネルが樹脂製なので耐久性に不安
メモリによってファンが物理干渉すると持ち上がるため、PCケースの高さ制限が厳しくなる
マニュアルに日本語表記なし

まとめ

「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」は冷却性能を考えると、ありえないほど低価格です。

超定番モデルのAK400より若干価格が高いだけで、冷却性能は雲泥の差です。

正直、低価格帯のCPUクーラーでは敵なしの状態です。

ただし、オフセットされないので、メモリやグラボとのクリアランスが厳しいといったデメリットが多いのも事実です。

ただ、それらのデメリットも価格の安さが全て打ち消してくれます。

コスパの高いCPUクーラーを探しているのなら、まずは「Thermalright Peerless Assassin 120 SE ARGB」を候補にいれてみてはいかがでしょうか?

ファンが光らない通常モデルならさらに安いのでそちらもおすすめです。

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